BREW SDKをインストールしよう - 1 / 2 -

BREW は QUALCOMM が 2001 年 1 月に発表した CDMA 携帯電話のアプリケーションプラットフォームです。

国内では、CDMA 方式を採用している KDDI が 2003 年 2 月に EZアプリ(BREW) サービスを開始しました。現在では、KDDI から出荷される全ての携帯電話に BREW が搭載されています。( 2006 年 4 月 )

本連載では、BREW アプリ開発をこれから始める方を対象に、ステップ・バイ・ステップに BREW プログラミングの基本を具体的なサンプルコードを使って解説します。

※前提条件： C 言語の基本知識

BREW とは

「 BREW とは一言でいえば何ですか？」

私ならこう答えます。

「 BREW は Java を高速にしただけです」

BREW も携帯 Java も目指すところは同じです。

さまざまな携帯電話の違いを吸収する、携帯電話向けソフト開発の共通プラットフォームです。

携帯 Java で、Java API を使用して Java 言語でプログラムを書くように、BREW では BREW API を使用して、C/C++ 言語でプログラムを書きます。

こうした本質を押さえた上で、BREW と携帯 Java の違いについて考えてみましょう。

BREW 2.1 と MIDP 1.0 (Java) を比べた表です。

	BREW 2.1	MIDP 1.0
ファイルシステム	使用可能	使用不可
ネットワーク機能	UDP、TCP サーバー、TCP クライアント	HTTP クライアントのみ
アプリ間連携	可能	不可
勝手アプリの配信	不可(QUALCOMM や KDDI の審査と検証に合格しなければいけない)	iアプリは可能
プログラミング言語	C/C++/アセンブラ …	Java

この表を見る限り、BREW のほうが携帯 Java よりも高機能に見えますが、実は BREW の機能の多くは携帯 Java にも搭載可能です。

ただ、BREW は C/C++/アセンブラ … とプログラミング言語を選ばない点で汎用性が高いと言えるかもしれません。

実際のところ、BREW 上に Java VM を実装すれば Java 言語でプログラミングすることすら可能です。

また、C/C++/アセンブラ … という言語で記述されたプログラムは Java よりもプログラミングは複雑になりますが、速度面やハードを柔軟に扱えるという点で優れています。

以上のポイントを踏まえることで、BREW の良さをより活かしたアプリ開発が可能になるでしょう。