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携帯電話で動かしてみよう - 2 / 2 -

BREW の悩み

今回は連載の最終回ということで、 BREW のうらみつらみをつらつらと書きたいと思います。

インターフェイスの解放を忘れたら大変。ちゃんと解放するように管理しないと。めんどくさいなー。 C++ を使えば楽になるけど。

char と AECHAR とニ種類あるけど、どっちかに統一してくれないのかな。文字列の変換ってめんどくさいのよねぇ。これも C++ を使えばどうってことないけど。

イベント処理の時間制限があるし、シングル スレッドしかないし、 BREW ってどうしてそんなにせわしないの?

なんで IDisplay と IGraphics に分けてあんのさ。 IDisplay ってテキスト描画以外に用事ないのよねぇ。アッシー君ってとこかしら。

あまり知られていないんだけど、細かい機種依存があるって話だよぉ……

連載では説明してないけど、 BREW にはユーザーインタフェースのためのコントロールがあるの。だけどそれを使うのはとっても難しーい。もっと簡単にUI作れないの? (C++ を使うともっと便利にできるかも!)

ドキュメントにときどき間違いがあるし、リファレンスもちょっと不親切だし。もう少し分かりやすく書いてくれないのかしら。

〜 BREW の先にあるもの〜

最近の次世代携帯電話に関してそのソフトウェア技術の動向を探ると、BREW 以外では Symbian OS や Linux OS などといった汎用 OS が、携帯電話の OS として標準採用されていく流れにあるように思われます。

昔々、PC が BASIC 言語のインタフェースから、MS-DOS のような汎用 OS が搭載されだした時のことを思い起こすことが、この業界でビジネスチャンスをつかむためのヒントになると思われてなりません。

MS-DOS により、PCもプラットフォームが広くオープン化され、アプリケーションソフトウェアも、PC に組み込まれるべきソフトウェアもその境界線がなくなり、C 言語によるソフトウェア開発が一気に普及し、数々の有益で高度なアプリケーションソフトウェアが生まれ、利用されました。結果として、昨今のように PC のソフトウェア業界が大きく発展しました。

今、次世代携帯電話向けソフトウェア業界は、このような大きな荒波を迎えている寸前にあるのだと、私たちはみています。これまでの携帯電話向けのソフトウェアは、ゲームや待ち受けなどのようにコンテンツ的なアプリは Java で開発され、電話帳やスケジューラのような携帯電話に必須のアプリは組み込み OS 向けのアプリということで、明確にその境界線が分かれていました。

しかし、BREW や Symbian OS、Linux OS といった汎用 OS によって、この境界線はなくなり、オープン化され、さまざまな有益なアプリケーションが今後、C/C++ 言語をベースとして開発されていくことになると予測しています。

その意味において、私たちは、BREW プログラミングを通じて習得した技術は、単に米国 QUALCOMM 社の BREW というプラットフォームだけに依存するものではないと位置付けています。C/C++ 言語をベースとした新しいアプリケーションの開発のため、しかも組込み系アプリとかコンテンツ系アプリなどといった“境界線”が全て消滅し、BREW に留まらず、Symbian OS、Linux OS などすべての汎用OS的なプラットフォームに転用できるプログラミング技術である、という新しい展望が生じてくると考えています。