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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2005年06月13日

2005 年 06 月 13 日 : Core concept -24-

最近、海外のITベンチャーから協業の打診がメールでよく入るようになってきた。USのあるITベンチャーとは既に共同である先進的なプロジェクトを進めている。今日は以前メールで情報交換したことのある、USに本拠地を置くITベンチャーのテクニカルディレクターから、ある技術に関して協業できないかというメールを貰った。世界マーケットを見渡せば、ソフィア・クレイドルが創造しているテクノロジーによって、何か新しい試みにチャレンジしようと考える人や企業が急に増えていることに驚きを覚える。

全くのゼロからスタートせねばならないベンチャーが弛まなく成長を遂げるには、世界全体が如何なる方向に向かって進んでいくのかという直感や洞察は、とても大切なことに思える。世界が大きく変化するその瞬間を捉えることができるか否かで全ては決まり、それが大きなものであるばあるほどその備えも一朝一夕にできるような代物でもない。しかし天下分け目の大勝負というものは「関が原の戦い」の如く、あっけなく決まるものかもしれない。

世間一般に謂われる「戦い」とは、そのような性格を有するものであり、変化の兆しをできるだけ早く的確に捉え、どうやってその“新しい世界”に自然に備えるかに委ねられている。

大企業に比べて中小零細企業、SOHOのような組織体はその数が桁違いであり圧倒的に勝ると謂えるだろう。しかも意外に思われるかもしれないが、そんな小規模な組織ほど有能なプログラマーや技術者が所属するのも事実なのだ。ただ彼らが表舞台で活躍できる機会に恵まれなかったに過ぎない。逆に大企業にも有能な人材は多いけれど、折角の才能もその9割以上は活かされていないと考えて良いと思う。

携帯電話向けソフトウェア業界は今、大きな変貌を遂げつつある。

携帯電話向けソフトウェアを開発し、それが真に利用者に必要とされるものであるのならば、インターネットを介して、極端な話として自宅のパソコンからもそのソフトウェアをネット配信し、その対価を自動的に得るという仕組みが時代の趨勢として出来上がりつつある。

そのような時代になれば、これまで大企業の下請けとして日の目を浴びなかったような、小規模組織に所属する有能な個人が、世界的に活躍する時代になるに違いない。音楽業界のミュージシャンのように才能さえあれば、世界的に活躍できるチャンスがひろがるだろう。

ソフィア・クレイドルの製品やサービスの最大になるであろうお客さまの層は、そのような小規模組織に所属する、極めて有能なプログラマーになるだろうと予測している。世界的な視点でマーケットを眺めれば、その利用者の数は現在のソフィア・クレイドルの事業規模からすれば無尽蔵にも思えるほどだ。

大分昔からからいろんな著書で謂われてきたことだが、ミレニアムの年を境界線にして組織力から個人の感性や知性が問われる方向へと、時代はシフトしつつある。そして、ある日を境にして局面は確かに変革していたと50年後、100年後に評論される日がきっとやって来るだろう。その変化は瞬間的なものに過ぎないかもしれないが、それに対する備えが万全であった者だけしか生き残れないくらいビジネスの世界は厳しい。

企業は法人とも呼ばれる。「法人」という「人」ではあるが、企業とは人間のような寿命は必ずしもないところが大きな魅力であると個人的に思っている。“今”の世代の思いを、DNAのようなかたちあるものにして、次の世代に引き継いで、企業は永続的に進化発展を遂げてゆくところに、企業経営の妙味があると思う。

以下に記した言葉は、彼有名な江戸幕府の礎を築いた徳川家康の遺訓と謂われている。

一、人の一生は、
  重き荷を負うて遠き路を行くが如し。
  急ぐべからず。

一、不自由を常と思えば不足なし。

一、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。

一、堪忍は無事長久の基。

一、怒りを敵と思え。

一、勝つことばかり知りて負くるを知らざれば、
  害その身に至る。

一、己を責めて、人を責むるな。

一、及ばざるは過ぎたるに勝れり。

戦国時代は、正にいまの時代のようにスピードが最重要視された相違ない。しかし最終的に天下を取った徳川家康は、『人の一生は、重き荷を負うて遠き路を行くが如し。急ぐべからず。』と第一番目に記し遺している。永遠の企業を目指すベンチャー起業家として、この言葉に戒めの感情を禁じざるを得ない。

企業の“戦い”とは、本当の戦いとは何なのであろうか。

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