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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : Entrepreneur

2007 年 01 月 17 日 : 量りしれない価値

モノやサービスを創って販売する、というのがベンチャービジネスの基本だと思うのだけど、この基本を学べる場は意外と少ない。

あるいは、このことをあまり重要と思わないだけかもしれない。

ベンチャーのモノやサービスには、独自性というものが要求される。

そういう創造力を養う教育はどれくらいなされているのだろう。

販売というものは商学部で学べるのだろうか。

自らモノ、サービスを創って販売した経験のある教授はどれくらいいらっしゃるのだろう。

社会にひとりで放り出された場合、モノやサービスを創って販売するというスキルが真っ先に要求される。

生まれながらにして才能に恵まれている人も確かにいるけれど、経験によって学ぶことも可能であり、そういうスキルは人生を切り拓くための大きな推進力になると思う。

ある意味では、学位こそ授与されないものの、その価値は大学で学ぶ専門知識以上に有益に思えることもあるかもしれない。

その価値は何かと問われれば、誰の思惑によらないで、100 % 自分の思うままに未来へ前進できることと言えるだろう。

ベンチャーで働く最大のメリットである。

  

2006 年 06 月 07 日 : Balance of game

いつの頃からなのだろうか。

明言できないけれど、自分への投資は意識的に惜しみなく行なってきた。

ソフィア・クレイドルという会社を創業したのも、自分自身の可能性を探るための、あるいは隠された才能や能力を見出すチャンスに賭けた投資と言えるかもしれない。

求めるものを得るためには、投資という行為は欠かせないものである。

何故なら、何も無いところから有を見出そうとするよりも、元にあるものがあってそれを自分の想い描くものに転換する方がきっと着実だろう。

確かな着地点をリアルにイメージして、理想の世界を実現するには、時、想い、お金、モノ ・・・ いろんな投資が必要だ。

ただ一つの資源だけが潤沢にあるのもダメで、さまざまな要素のバランスというものも不可欠だ。

音楽、絵画、スポーツ ・・・ どのような業界においても超一流の域ともなれば、バランスこそが外せない軸なのかもしれない。

コントロール可能なパラメーターもあればそれがまったく叶わぬものもある。

それ故に確率的な世界に無力感を抱くこともあるけれど、実は世界というものはほんのちょっとした違いに過ぎないものが夢幻の如く華やかなものに見えるだけなのかもしれない。

この地球には数え切れぬほどの人が暮らしている。

ある人には些細に思えるものが別の人には一大事というのが現実でもある。

ひょっとしていかなる偉大なものもそんなところから出発するのかもしれない。

先ずは自分で納得できるアウトプットを出して、そのアウトプットを一人でもいいから、評価してくれる人が現れるまで高める努力を継続する。

であればあとは順風満帆になるのだろう。

  

2006 年 03 月 23 日 : Absorption

平凡なモノを作っている限りずっと零細のままである。何か一点でも良いから非凡なモノが欲しい。そして新しい世界へテイクオフしたい。

いつもそういう願いを心に秘めて仕事に臨んでいる。

「これってひょっとして凄いんじゃないの?」というような、知る人ぞ知る、意外な驚きを創造したい。しかも、ナチュラルに、自然なスタイルで。

その方法論が会得できれば、主観的な世界も違って見えてくるような気がする。

外せないポイントはその仕事に「熱中」できるかどうかにあるだろう。

英語でコミュニケートする海外のスタッフもいたりするので、いろんなキーワードについて、「それって英語で何というのかな〜?」と気になる習性が身についてしまった。

「熱中」という単語は、和英辞典で調べてみると、 "absorption", "enthusiasm", "craze", "mania", "passion" など様々な訳語があるようだ。日本語だと、「夢中」、「熱狂」、「集中」、「熱心」とかが同義語である。

同じ内容の言葉でも、実に様々な単語があるものだと感心してしまう。

英英辞典を調べば、更にそれぞれの言葉のニュアンスの違いとかが解説されていて興味深い。

正確な意味としては確かに異なるのだけれど、言葉を使う瞬間というのは感情を込めて、それは発せられるように思う。

微妙に似た言葉でも、その文字の形や発音した時の響きから、人はその雰囲気を本能的に悟るのかもしれない。

「熱中」することで最高の結果を導き出すことができると思うのだけど、それでは「熱中するってどんな風に?」と時々考えたりする。

それは対象とするものが自分の体の一部のように思えるかどうかだろう。

"absorption"っていう英単語は、そんな雰囲気を意味する「熱中」らしい。

ロングマン英英辞典によると、"a process in which people or things become part of something larger"とある。

手、足、頭、… 人の体は多種多様な器官から構成される複雑系の世界である。どれひとつ取ってみても、メカニズムは複雑難解で人知を超える領域も多い。

不思議なのは、そんなにも神秘的なモノを実際に機能せさているのが人であるという点である。

仕事もそんな風に、自分の体の一部と錯覚するくらいに無意識のうちに取り組めば、何か素敵なモノが生まれるかもしれないと期待している。

  

2006 年 01 月 04 日 : 自信

小さな出来事なら自信を持ちやすくて簡単に成功できる。誰もがそんな経験を持っていると思う。

人生を左右する一大事の場合、同じように自信を持って挑めるだろうか。

そういう時にこそ、急に道が拓けたり晴れたりして、今まで気付かなかった新しい偉大な才能が開花するのかもしれない。

多くの人は人生の一大事の場面に遭遇すると、権威あるものについ頼りたくなる。自分の力だけでそれを乗り越えることが千載一遇のチャンスだったかもしれないのに・・・。

個人にしても企業にしても、多くの人びとが権威ある大企業の傘下に入って働く道を選ぼうとする。その方が自分の才能をフルに発揮できるならそれは良い選択である。

スポーツでもプロフェッショナルな世界で超一流といわれる選手は、厳しいトレーニングの結果として彼或いは彼女の栄光があるのだと思う。

日々の仕事の場も同じ事が言えるのではないか。困難があるならそれを乗り越えようと努力する。

その瞬間、瞬間に、新しい才能が開花してゆく。それが成長の軌跡であると思える。

「夢はかなう。思いは実現する」

思い通りの成功の軌跡が描けるかどうかは自分へ自信の度合いで決まるだろう。

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2005 年 11 月 15 日 : 多様性の中の集中

サラリーマンの頃と比べて、質と量で計れば 10 倍以上の仕事をこなしている。言い換えれば、10年分以上の仕事を 1 年でやり遂げている。特に苦痛を感じているわけでもなく、ごく自然に働いた結果そうなっている。

これは独立独歩で人生を生きることの代償と言えるかもしれない。逆説的ではあるが、個人的には寧ろその境遇の中で心の充実感を味わっている感覚がある。携帯電話向けソフトは新しい業界と位置づけられる。僕たちのようなベンチャーが大勢を占める世界でもある。

他のベンチャーも僕たちと同じくらい創意工夫を絶やさずに様々な仕事に励んでいるだろう。だから周囲のベンチャーがそれだけ集中して仕事をしている中にあって、生き残るのは並大抵のことではない。ほんのちょっとの油断が命取りになる。

例えばプロスポーツの世界はシビアである。0.01 秒という僅かの差であっても 1 位と 2 位とではかけ離れている。それではその隔たりは一体どこから生じるのかというのが大切な問題意識となる。

きっとそれは己の限界に、どこまで真剣にチャレンジしてきたかの結論であるということに尽きる。元来、人は弱い生き物であると言われる。ある程度の段階まで辿り着いた途端、それで良しと満足してしまい進歩や発展というものがそこで止まってしまうものだ。

それがプロとアマ、或いは世界と地区という大差に繋がってくるのではないだろうか。

  

2005 年 11 月 13 日 : 未知の領域

生き物は環境に適応して育つと言われる。ベンチャーは起伏のある世界である。だからその環境に置かれた人はそれにともなって、自ずとダイナミックにのびるのかもしれない。"ベンチャー"という環境に身を委ねるから、新しい自分を発見し成長を実感できるチャンスにも巡り合える。

起業家は自分の財産を事業に必要な資金に充当するのが普通である。サラリーマンであれば仕事に必要な道具や資材、設備などは会社が用意してくれる。

言葉で表現すれば至極簡単である。けれども 2 つのスタンスには大きな違いがある。要は世界が全く違って映ってくるのだ。

財産でも家とか車とか、人にはそれぞれ自分が特に大切にしているものがあると思う。それと同じ感覚で事業を捉えることが自然にできる感じだ。

そんな環境で仕事をしていると事業にも愛着が生じてくる。結果的に創造した製品にもそういう気持ちの雰囲気が漂うものとなる。大企業にはないベンチャーの最大の特長かもしれない。それがいきいきと伝わってくる製品は支持され売れてゆくのだと信じている。だからその雰囲気をできるだけ大切にしたい。

それ以外にも、製品の研究開発、デザイン、マーケティング、販売、保守、それから経理、資金繰りなど様々なことを自分自身の力に頼るしかない。そういう環境に自分を置くので未知の新しい世界も切りひらかれるのである。

そういうプロセスを経て自然とベンチャー事業はひとり立ちしてゆくだろう。日本に暮らしているから日本語を不自由なく話せるのと状況は同じである。

その眺めを楽しんで天頂目指して、のびのびと果てしなく描かれる美しき軌跡のかたちを、こころにしっかりと刻んでゆきたい。

  
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