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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2005年08月03日

2005 年 08 月 03 日 : 眺め

10年ほど前、夜の国道を行き交う自動車のライトの軌跡を飽きることもなく眺めていた。今ではマンションが建ったのでその向こう側は何も視えない。

今は見えないけれど10年前は見えていた過去の事実が新しい発想を喚起してくれる。私たちは"x"軸、"y"軸、"z"軸の座標軸から構成される3次元空間に束縛されるようにして暮らしている。その結果、今は窓からマンションの向こう側が見えないという現象が発生している。

もし私たちが現在の3次元空間に時間軸"t"を導入した4次元空間の存在であるならば、10年前に遡って夜景を駆け抜ける自動車の光を眺めるのも可能だ。

何ごともそうかもしれないが、ベンチャーを経営していると未来をどう視るかで総てが決まるようにすら感じられる。でも4次元空間の中を自由自在に瞬間移動できるタイムマシンがあるわけでもないので、未来を確実に視ることは叶わない。

しかし窓から見えない眺めの例のように、過去に遡ってそれを視るというのは可能でそこに未来を眺望する重大なヒントが隠されている。

たとえば、ソフィア・クレイドルでは30年前から現在に至るまでのコンピューター業界の過去を精査しつつベンチャー経営をしている。30年前であれば、会計のような企業情報システムは何億円もするようなコンピューターで処理がなされていた。しかし今では数万円のパソコンに弥生会計を導入するだけで手軽に使える時代である。こんなトレンドを知れば、会計システムが10年後には数千円の携帯電話サイズのコンピューターで処理されたとしても何ら不思議でない。そこに隠された巨大なビジネスチャンスを見出そうとしている。

肉眼で視えない未来もこんな風にして眺めれば新しい展望が開けてくる。