2005 年 12 月 30 日 : 氷山の金額
数値化できるお金は単純明快で分かりやすい。誰にでも客観的に簡単に評価できるからである。
それは現在かたちになって見えるもののほんの一面、いわば氷山の一角に過ぎない。にもかかわず、多くの人々はそれを追い求める。
もっと大切なのは、むしろ人とかブランドとか未来とか・・・数値化できない伸びゆくものを、ぶれずに見定める才能である。
人はお金に換算すればどれくらいの金額なのだろうか?
それは、人によって評価するタイミングによって環境によって、大きく左右される。しかし、正確にお金に換算できないくらいの無限の価値を秘めているのである。
ブランドや完成していないものについてもそれが言えると思う。
例えば「モーツァルト」って金額に換算すればいくらなの?という問いに正確に答えられる人はいるだろうか。
価値が高ければ高いほどお金には代えがたい何かがある。難しいのは時間の経過と共に上昇もすれば下降だってありうることである。
起業家に最も求められる資質のひとつは、そんな数字に表現し得ない価値を見抜いてそれをかたちあるものに育てるセンスだと思う。