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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2006年03月28日

2006 年 03 月 28 日 : Chain reaction

いま眺めているパソコンはネットに接続され、その向こう側には何十億台ものパソコンがシンメトリックにネット接続されている。

こんな幻想的な世界は 10 年前は想像すら出来なかったと言えよう。

たった 10 年というスパンで世界全体が変貌を遂げ、別の方向へと進みだした感がある。

何十億もの世界の人々とネットで繋がっている認識があるかないかで、主観的な世界の広がりも全然違ってくる。

生涯で勝負できる、数少ない絶好のチャンスである。

いまだにネットが珍しかった時代と同じスタイルでビジネスをしている経営者が多いように思える。

自分独自の考えを客観的な方法で表現し、ネットに情報発信するスタイルが何よりも優先されるとして僕はポリシーを曲げることなく行動している。

ここ数年というもの、営業で外出することもなければ、資金繰りで奔走することもない。セミナーや勉強会、業界団体の集会に出席することもない。講師として参加したことはあるけれども。

いまは、ただ自分と向き合って、これから激変する未来を主観的に構想しネットを通じて世界の何十億人もの人々に伝えることが肝要だと考えて、只管そればかりしている。

世界には「何十億人もの人々がネットに繋がっている」という事実をどのように捉えるかである。

アタマに想い描く世界観が極めて個人的であって、1000 人に 1 人しか熱狂的に賛同しないにしても、世界全体では数百万人もいることになる。

従来であれば、己の足で接触できる人の数に限りがあったため、どうしてもお願いして賛同してもらう必要があった。

ネットの世界では、それが全く逆になって、好きな考え方やモノが存在していたら好んでそれを選ぶという流れになる。売り手も買い手もどちらも好意的に納得する形でビジネスは進んでゆく。

そんなスタイルのビジネスが成功するか否かは世界の人々がそれを選ぶかどうかだろう。

人々から選ばれるものはどのような発想から生まれるのかが最も重要かもしれない。

宇宙全体はいまも膨張していて、僕たちの地球を包む銀河系は猛烈なスピードで宇宙空間を移動していると言われる。

けれども、僕たちにはその実感は全くない。辛うじて、地球が自転していることや太陽の周りを公転していることを、朝昼晩或いは春夏秋冬という時の流れから理解できる程度である。

空を飛んでいる飛行機や道を走る自動車はどうだろうか?

明らかに、どちらからどちらの方向へどれくらいのスピードで移動しているか自分の目で確認できる。

目隠しをされて外界が全く見えない乗り物の中にいたとすればどうだろうか?

何も知らされていないとすれば、きっとどこに向かって進んでいるのか皆目見当も及ばないと思う。

これは何を意味するかというと、世界を自分の中からだけ除いていれば世の中の潮流から外れて行動してしまう失敗をしてしまう危険性があるということである。

自分の外から世界全体を眺めることができれば、世の中の潮流に素直に乗ることができて、自分の主張がすんなりと受け入れられる確率も高まる可能性が高くなるということである。

インテルのCPUを直接自由に使いこなせる人は何人いるだろうか?1000人に1人とか、1万人に1人とか、…ってな感じで、そんな人は珍しい。

でも、インテルのCPUが入っている Windows パソコンは誰にでも使えるくらい至極簡単である。

自分が主張するものが0.1%の人にしか受け入れられなかったとしても、それを理解してくれた人がその考え方を加工、編集し、付加価値を与えることで、次の段階では全体の1%に増えることだって珍しくないのがネットである。

ネットの良さは情報が融通無碍に人から人へと伝わり、かつそのプロセスにおいて付加価値が高まることも有り得るし、そのスピードが光速である点だろう。

僕が狙っているビジネスというのは、自らが発信する情報に人々が重層的に付加価値をアドオンして、次第次第に理解する人々が増えてゆく自然な流れを創り出すことである。

2006 年 03 月 28 日 : 時は流れて

質量をもつ物質を、細胞→分子→原子→ … と分解してゆくと、確かな存在は確認されていないのだけれど、6 つのクオークと 6 つのレプトンと言われる素粒子に辿り着くらしい。

この世界に存在する、数え切れぬほどのさまざまな物質とは対照的に、極めて限定され共通する基本要素から宇宙は構成されているということである。

もし仮に全ての物質に宇宙を形作っている 6 つのクオークと 6 つのレプトンが備わっているとするのならば、ひょっとすると僕たちは何にでもなれる可能性を秘めているのかもしれない。

何が自分を自分たらしめているのかという考察も面白い。

僕のアタマの中に描かれるイメージというのは、宇宙が時空であるとするなら、たまたまそんな場に置かれたから自分というものが存在するという考え方である。

すなわち、周囲の環境が僕そのものを創っているのではないかという仮説である。

それ故に、人にとっては環境というものが全てのようにも思えてくるのだ。

とりわけ興味深いのは、人には意志というものがあり、どういった環境に自分の身をさらすのかを選択できる点である。

ベンチャーを起業すれば、大きな組織では想像することさえ叶わない自由を手に入れることができる。

あらゆる人生における岐路を他者に頼らずに自らの意志で決断し選択し行動するのが起業家の宿命であり、唯一最大のメリットであると僕は信じている。

宇宙における物質の原理から発想すれば、環境によって僕たちは何にでも変われる。

ベンチャーを経営していて常々思うのは、短期的な結論を求めようとする誘惑が余りにも多いという事実である。

宇宙とは永遠の時間軸上に展開される時空であるという認識が大切であると思う。時が流れても、なおも一層何か光る存在であるためのはどのような決断が最適なのかロングレンジに渡って展望せねばならない。

*「往古来今これ宙という、天地四方上下これ宇という」(淮南子)