ホーム > President Blog : Sophia Cradle Incorporated

Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2005年10月29日

2005 年 10 月 29 日 : Tapestry

テレビにしてもパソコンにしても、それらに映し出される映像や画像は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)という基本的な 3 色の組み合わせたものに過ぎない。そのシンプルさがなんとなく不思議に感じもする。

実は世の中の複雑そうに見える出来事も、紐解けば基本的な要素が織り成すタペストリーなのではないだろうか?複雑そうに見えるものを不自然に考え込んだりして事態が悪化の一途を辿るケースもよくある話。

シンプルイズベスト。

しばしば言われる言葉ではある。でも実践するのは難しい習慣である。元来、世界全体がシンプルな構造で出来ているのだから簡単なはずなのだけれども。

それは、地球上の生命の中でも人間だけにある、顕著な特徴とも言える感情が却って災いしているのではないだろうか。誰もが個人的な感情を抱えて生きていると思う。そういった感情は世界を客観的に捉えるにあたって障害になりやすいのかもしれない。

ベンチャーの場合、経営資源が極端に限られるのは確固たる事実である。でも何千万色にもおよぶ様々な色も基本はたった 3 色なのだ。その限られた少数の経営資源でも組み合わせは無限にある。そんな無限の組み合わせの中から、ダイヤモンドのごとく光り輝くものを見出してプロデュースする仕事は、ベンチャー起業家の重要な役割のひとつ。

では、その才能を磨くためにはどうすれば良いか?

それは、音楽でも絵画でも文学でも何でもいい。素晴らしいものを何度も何度も繰り返し感じとること。感覚と感性を育んでゆく訓練が欠かせないだろう。

2005 年 10 月 29 日 : 世界への橋頭堡

お客様の大半は東京の会社である。しかしながら、過去 1 年間、 1 度も東京へ出張していない。(そもそも京都を離れたのはささやかな用事で大阪へ 2 度あるくらい。限りある時間をこの上なく大切にしているので社外の人とも滅多に会わない。)ビジネスの大半は東京を中心とする首都圏でなされている。だから手っ取り早くビジネスを立ち上げたければ東京へ行くのがベストなのは確か。

でも敢えてその道は選ばなかった。人と違う行動を採ることはベンチャーらしく思えた。誰もが発見できない新しいビジネスチャンスはそんな行動の中から生まれるものでは?

皆が東京へ出稼ぎに行くからそれに習えば儲かるというのは面白くない。東京へ行くこと自体に何も問題はない。昔むかし、京都が首都だったはずで、時代の流れに翻弄されたくもない。

創業以来、外出を避けていたのには理由がある。そういった状況に自らを追い込めば、京都からでも日本全国に商品が売れるための仕組みが必然的に創造される。

マーケットが東京だけならば東京に出張しても、支店を開設しても全然問題ない。ビジネス的にそうすべきだろう。しかしソフィア・クレイドルのマーケットエリアは全世界なわけ。たまにローマやパリ、ロンドンへ出張するのならば、それも良い。けれども何か案件が発生するたびに海外出張しているとすれば、人がいくらいてもたらないビジネスモデルが出来上がってしまう。

それを避けるために、最初からハードルを高くして、営業はインターネット 1 本で、商品の出荷は宅配便、サポートはメールという手段ですむビジネスモデルを構築していった。

インターネットだけで商品を売る難しさは身に染みるほど味わった。でもそれを一種のパズルのようなゲームに置き換えてみることでいろんな発想が思い浮かんだ。様々なアプローチを実践し、取捨選択しながらここまで来たのだけど、幸い何とかここまでやってこれている。

ネットから注文が入れば、宅配便の会社にダイヤルするだけで荷物が配送されるように業務がスムーズに流れている。発注元が国内であろうと海外であろうと、日本語と英語の違いを除けば、受注・出荷処理の中身は全く同じ。京都に本社があるだけで世界マーケットを対象にしたビジネスができる。それはインターネットの偉大さを実感する瞬間でもある。