2006 年 02 月 20 日 : 海外ストラテジー
現在、もっとも関心があるのは自社製品のインターネットを介した海外への輸出である。
ワールドワイドなマーケットを対象として、マーケティングから出荷まで全て全自動なシステムを構築しようとしている。
携帯電話のソフトビジネスのマーケットポテンシャルは日本を 1 とすれば海外は 15 〜 20 であり、いまもなお拡大中である。
しかもこの分野は日本が世界で最も進んでいると言えるだろう。
今年からは地上デジタル放送が観れたり、財布代わりにもなる携帯電話が爆発的に国内マーケットでひろがる気配が感じられる。
数年後の世界においてはごく普通の風景が、日本では早くも人々の生活シーンに溶け込んでくるという、我々のビジネスにとっても貴重な一年であり将来の発展への発端かもしれない。
少人数で始めるビジネスがベンチャーであるだけに、スケールの大きさを狙うには、小さなものでも果てしなくひろがる世界へ展開することだと考えて、いまのベンチャーを創業した。
商売の基本は、お客様に価格を遥かに上回る価値を提供した上で自らも損をしないということではないかと思っている。
それだけに、国内マーケットでは採算をとって海外マーケットを展望するというのが確実に成功するための秘訣だと思ってきた。
海外向けの製品を完成させて半年以上経過する。日本法人のある海外企業への販売はいくつかあったが、今月、ようやく純粋に海外のお客様へインターネット経由で販売できる見通しである。
日本が圧倒的に進んでいる携帯電話業界の事情から、同種のソフトを販売している会社は世界広しといえどもほとんど存在しない。
ソフトビジネスで最も重要なのは導入実績であり、それがあるというのは距離的なデメリットを補え、トライアルバージョンを試してみると海外のお客様も一瞬のうちに分かる。
いまは受注から出荷までに手作業が介在する状況ではあるが、今年から来年にかけて全てオートマティックにする予定である。商品を販売して流通させるシステムは無人ということだ。
いまのビジネスモデルは、ソフトのライセンシングによるものの構成が 100 %である。それ故に、ビジネスの運営に関わる経費の 80 %以上を未来に収益を生む研究開発事業に投資できる。
全体的な規模は小さくとも事業のほとんどは研究開発なのだ。
国内のマーケットも拡大中だが、海外への販売が増えるにつれて研究開発投資の規模も膨らんでゆくと思う。
肝心なポイントは如何にしてヒット率を高めるかだと思う。
経営資源が限られるときは、心をこめた創意工夫をしたり、踏み込んだ洞察力によって売れる商品が生まれる確率が高いと思う。
しかし、金銭的な余裕が生まれても、そんな努力を継続させることができるかどうかが、弛まなくヒット商品を世に送り出し続ける分かれ目となるのではないだろうか。