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2005 年 07 月 13 日 : 一瞬の輝き

ソフィア・クレイドルのビジネスモデルの原点は、どこにでも見かける極々ありふれた自動販売機にある。単純化して謂うのならば、自動販売機をインターネット上にプログラミングしようと試みている。

喉が渇けば、適当な自販機を見つけ、その中から自分の気に入った清涼飲料水を購入して飲む。電気代はかかるが、置き場所とその自販機に入れるラインナップを間違わなければ、自販機は365日24時間年中無休で忠実に働いてくれる。

物理的な質量を持つ製品の場合、その自販機に詰める手間、それからスケールアップする際、多くの自販機をいろんな場所に設置する地理的な手間と費用が最大のボトルネックである。

ソフトウェア製品のように、ネットを介して光速のスピードで瞬間的に移動できる性質のものは、そんな物理的、地理的な制約が一切ない。ビジネスモデル次第では、時間と距離の壁を越えて瞬間的に飛躍できる可能性が秘められている。

そんな魅力的なマーケットであれば、誰もがきっと参入したくなると思う。それはミュージシャンとかプロアスリート、作家など、アーティストと呼ばれる世界に近い。多くの人が出来ればそんな道に挑戦したいと思ったことがあるだろう。勿論、競争は極めて激しく、筋書き通りに事が運ぶ世界でもないが、最終的には熱意と才能や素質、考え方というものに左右されてしまうのではないだろうか。

インターネットの世界では、極端に言ってしまえばワンクリックという一瞬の出来事で判断が完成されると考えるべきなのかもしれない。しかしそれに至る根源は、人間に生まれながらにして備わっている本能や鋭敏な感性といったものに辿り着くような気がする。ある曲を聴いた瞬間、「これっていい曲だね!」と思うような感覚だ。

現代のネットビジネスは、そんな方向に進んでいるような気がする。ソフィア・クレイドルの製品をプレゼンしているサーバーは、物理的に京都という地にある訳だが、世界中のインターネットに接続された端末から閲覧可能である。それらの数え切れない無数の端末に向けて、どのようにして情報を発信し、ソフィア・クレイドルの製品やサービスが受容され、そのクオリティや機能性を満足してもらえるか――に全てがかかっている。

その勝敗の行方は、たったワンクリックの出来事で決まる場合も多い。その貴重な瞬間、瞬間にかける思いの永続こそが、偉大な新しきビジネスの創造に結びつくように実感する。