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2005 年 06 月 22 日 : プログラミングの本質


試行錯誤しつつ思い描いたものを、プログラミングという行動に落とし込んで表現した結果であるソフトウェアをマーケティングし販売する。ソフィア・クレイドルとはそんな会社である。だから時には『プログラミングって一体全体何?』と原点に立ち返って思考するプロセスそのものが斬新な発想やイノベーション、新しい世界をひろげてくれる。

個人的な見解かもしれないけれど、ある意味ではプログラミングとは作文や作詞、作曲に似たものに思えてならない。直感的に作文に近い気がする。

だからまだその才能を開花させていないプログラマー候補のスタッフを採用する場合は、その人の文章力や表現力に頼ってプログラミングの素質を見極めようとしている。

ソフィア・クレイドルの製品をマーケティングするスタッフについても、プログラミングという仕事を本業にしなくても、潜在的にプログラミングの才能を秘めた人材の方が好ましいと考えている。それで全てのスタッフの人材採用に際して、その人の文章力や表現力といった才能やセンスは取り分け重視するよう心掛けている。当然、誰もまだ完成されてはいない。

タイムマシーンで明治時代という遥か彼方の過去に遡った情景をイメージしていただきたい。いま皆さんが利用している『パソコン』をその時代の人々に説明するよう謂われたとしたらどうだろう?いくら開かれた時代であったとしても、想像以上に難しいミッションと思う。

日常生活でパソコンを使っている現代の人々には、一言「パソコン」というキーワードだけで通用する。それはその人が日常生活において使いながら本能的、無意識に「パソコン」を理解しているからである。「パソコン」というものを見たことも触ったこともない人にそれを説明するのは難しく面倒なことである。

極端な話ではあるが、プログラミングとは、「」と「」で構成される文字列しか受け付けないコンピューターに対して、自分が実現したい思いを「」と「」で表現することを意味する。その内容によっては明治時代の人々に「パソコン」という概念を伝える仕事よりも大変である。

普段から「パソコン」のことを使っていてよく知っている人に「パソコン」という概念を共有するような感覚で、プログラマーもコンピューターとさまざまな概念を共有できれば、コンピューター上に表現したい内容の量と質、そしてそのスピードは飛躍的に向上するだろう。

そのためには、プログラマーが知っておいてもらいたいと思う単語や熟語、諺、決まり文句のような語彙を、予めコンピューターが理解していてくれるともの凄く助かるだろう。極端な話、一言発するだけでプログラミングがなされる世界も実現するかもしれない。

コンピューターが発明された当初、コンピューターのプログラムは直接「」と「」で記述するしか他に術はなかった。時の経過と共に、プログラミング言語というものが発明され、より人間に近い立場でプログラミングされるようになってきた。この傾向はこれから未来もこの方向に沿って、ずっと進化発展を遂げる気がする。その言葉はより自然言語に近いものになるであろうことだけは予感できる。

そういうトレンドがあるならば、それに従って文章を書き現したりすることが得意な人が集まれば、ソフトウェア研究開発事業も自ずとスムーズに展開するように思う。