2005 年 10 月 17 日 : シンクロニシティ
遠くの見知らぬ人が自分と同じように感じたり考えたりすること、シンクロニシティ(シンクロ)は珍しい現象ではない。音楽の世界では人びとの心の間でその曲を聴きたい気持ちがどれくらいシンクロするかで、それがヒットするかどうかが決まるという。(※ 「プロデューサーは次を作る」 小室哲哉 著 )
新しいマーケットを自ら創造する強力なパワーを持ち得ないとすれば、人びとの潜在意識に宿る心や気分の一端を探り当てることができたら良い。そんな気持ちを潜在的に持っていた人口に比例して、それは大きなマーケットに育ってゆくのではないだろうか。
今までは BLOG のように個人で気軽に情報発信するツールは少なかった。最近は Google に自分の考えや気分を表現するキーワードを打ち込んで検索して、世の中に自分とシンクロする人たちがどれくらい存在するのか知ることができる。また潜在的に同じように考えていたり感じたりしていた、見知らぬ人びとにメッセージを伝えてそれを顕在化させることもできる。
商品やサービスというのは、人びとの心のなかにある何かが動くから売れるのだろうという仮説を持っている。逆に言えば、最初から心のなかにないものは売れないという発想である。時代に伴い人びとの心も揺れ動くので心の変化は微妙ではあるけれど、基本は同じと感じている。でもまだその答は探索中である。
商売を創める時に注意しなければならないのは、その商品やサービスは潜在的に人びとの心に宿るものであるかどうかということ。それから、人びとの心とシンクロして共に大きなマーケットに育ててゆくことのように思える。