2006 年 01 月 21 日 : 刻まれた歪な曲線
"掌に刻まれた歪な曲線
何らかの意味を持って生まれてきた証 ・・・ "
( Lyric by Kazutoshi Sakurai 2003 )
この一週間は久々の忙しさだった。
ある意味では、ようやくエンジンが動き出したのかもしれない。
当分の間こんな日々が続きそうだ。
束の間の休息は、冒頭に記したメッセージで始まる曲の DVD の映像を眺めつつ、新たな発想を求めてさまざまな幻影が頭を翳める。
中学生の頃、最も関心を強く抱いたのは数学だった。
さまざまな関数を組み合わせることで出来る曲線がただ面白かった。
次第にそんな数学の関数に興味を持ち、その意味を探るべく、大学では数学を世の中に活かす術についての研究を志した。
大学を卒業して社会に出てからは、数学とは全く無縁の世界に身を置いていた。
でも、いまでは数学と関係のあるビジネスができているのでワクワクしている。
それは携帯電話のアプリで
y = sin x
を始めとする、さまざまな数学的な関数を利用可能にする技術を具体的な例として、世界に情報発信できる日が間もないからである。
以前からソフィア・クレイドルの WEB では、その技術を情報発信していたが、実際のプログラムコードの発表は世界で初めてだ。
では、携帯での y = sin x がどんな意味があるっていうの?
というのがほとんどの人々の感想かもしれない。
それ故にだからこそ、そんな仕事はベンチャーに似合ってるんだと思う。
多くの人は y = sin x が波形の曲線を描くのは知っているけど、それが何なのかということを想像するものは少ないだろう。
波形の曲線は"強"と"弱"の繰り返しをイメージさせる。
音声や画像、株価の変動など日常生活で数え切れないほど、"強"と"弱"のリズムが繰り返される。
要するに 携帯での y = sin x が意味するものは、それが携帯電話で現実となることなのだ。
人の声の認識や顔の認証、画像の圧縮・伸張、株価の変動、高度な暗号化などでは y = sin x が不可欠なのである。
たったこれだけに過ぎないのだけれども、その威力は偉大である。
空気に含まれる酸素は、単にひとつの元素でしかないけれど、地球上の生命にとって欠くべからざる存在である。
そんなものを捜し求め、そして発見するのが研究開発型ベンチャーの最高の喜びかもしれない。