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2004 年 12 月 23 日 : パンドラの箱

ギリシャ神話によると、パンドラは神々によって創られた最初の人間の女性だそうである。

パンドラは地上に降りるときに、神々からの贈り物である「箱」を持たされた。「箱」を開けることは許されていなかった。ある日、パンドラはその扉を開けてしまった。そのとたん、この世に存在するありとあらゆる災い、病気や不幸なんかが飛び出してしまったという。

パンドラが慌ててその扉を閉じたところ、その箱には一つだけ残されたものがあった。

それは「希望」だった。

パンドラの話で、感慨深いのは、箱には「希望」が残されていたこと。

「ベンチャー起業」は、ある意味では、「パンドラの箱」を開けるようなもの。どんな大企業で勤務していようと、サラリーマン生活を送る者の多くは、「ベンチャー起業」という「パンドラの箱」を開けてみようかと思うことがある。

ただ、それを開けたとたん襲ってくる、ありとあらゆる困難にどう対処していいか、分からないし、不安だから、ためらっている人が大半ではないだろうか。

「パンドラの箱」を開ける決心をしたのは、そこに残された「希望」というものの存在に、全てを賭けたからだ。

確かに、誰にも頼ることはできず、守られているわけでもなく、自分を信じ、自分を頼っていくしかない。けれども、事業をやっていて次第に分かってくるのは、「希望」というものがだんだんと大きくなってくるということだった。それを「感性」で感じ取れるのは生きている上で大きな喜びだ。

ベンチャー起業は人、資金、知名度、技術力等などすべてゼロからスタートするわけだから、既に長年その業界に存在している企業と互角に渡り合っていくのは並大抵のことではない。

「希望」を信じて、一歩一歩着実に成果を積み重ねていけば、知らないうちに驚くほどの大きな実績となっている。

最初はまったくのゼロだった。

今では少しは「ソフィア・クレイドル」という社名を知っていたり、聞いていたりする人がいる。有難いことに製品も売れている。尊敬でき、超一流といえるスタッフに囲まれている。ハードの設備、ソフトの環境も創業時よりもかなり良くなってきた。立派に自社のホームページも存在する。

何も無かった創業当初からすれば隔世の感がある、そう思う。

創業時は吹けば飛ぶような、泡のような存在が、今では立派に自立していることは、これまでの結果として評価できる。

全ては「パンドラの箱」に残された「希望」を信じた結果であり、この姿勢を堅持する限り、ベンチャーは弛まなく成長し、飛躍していく。

そんなときめきを予感する今日この頃。