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2005 年 02 月 14 日 : アントレプレナー

既に完成されている企業で働くということは、確立されたフレームワークの中で行動することを意味する。自分の意志に反して無理してその枠組みに合わせて働くなら、その人が潜在的に本来秘めている可能性が発揮されずに終わってしまうことだってある。逆に、フレームワークが存在していてそれが素晴らしいものなので、適する方向に向けて自分の才能をもっと発揮することもある。

要は自分の適性に合わせて、会社を選べば良いのだけれど、優秀といわれている人ほど、自分の力が十分に発揮できる場について、真剣に考えずに重要な人生の選択をしてしまっている。厳しい局面に自らを置くことによって初めて自分の才能に気付くことは意外に多い。それをきっかけにして世界が変革されることも充分にありうる話だ。

未来が見通せる安定した組織は見かけは良いかもしれない。しかし、仮に自分が本来やりたかったことがそこでは実現不可能であるならば、人生を嘆くことにもなりかねない。「自分の人生について」は意外と自分では分かっていないことが多い。例えば、受験で滑り止めのつもりで受けたところのほうが、自分に合っていて幸せに過ごせることもあるものだ。

テレビCMで頻繁に流れるような大企業というのは確かに素晴らしい会社である。しかし、どんな組織にも始まりがあって、終わりというものが存在する。そんな大企業でさえいずれ崩壊することだけは確実だ。世界的なローマ帝国にしても、モンゴル帝国、イスラム帝国などなど、全ての組織にはかならず終焉がある。そして、同時に新しい偉大な組織の萌芽が生まれている。

だから優秀な人ほど、崩壊してゆく合わない組織にしがみつくのではなく、新しく次の時代を切り開く組織を創る仕事に打ち込むべきだろう。新しい偉大な組織が生まれない限り、日本は時間の経過と共に衰退の道を辿るのではないだろうか・・・。

第二次世界大戦直後こそ、SONY、HONDA、京セラなどの世界的に巨大なベンチャーが日本においても育った。しかし、それ以来、それらを凌駕するようなベンチャーが生まれていない。そういうこともあってか、90年代以降日本においては全体的に不景気である状態をずっと脱していない。

今後、日本がもっと大きく発展するためには、高い志を持つたくさんのアントレプレナーが育つような環境を整備することが重要であろう。そして、日本を代表し、広く世界でも活躍するようなスケールの大きなベンチャーが、昔のようにもっとたくさん生まれることを願いたい。

自分の貴重な才能を自ら伸ばすために、大切な時間を費やすべきであろう。実質的に社会に役立てるためには何をなすべきかということを、他者に頼らずもっと自分自身に問うべき時代にきている。それこそが、幸福な人生を送り、そして希望と夢のある未来を創るためのキーになるように思えて仕方ない。