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2006 年 04 月 11 日 : 時空

昔、宮本武蔵は素手の柳生石舟斎に挑んだものの、全く歯が立たなかったという。

その時、石舟斎は武蔵に訊ねたらしい。

「鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の奏でる音 ・・・ これらの音が聞こえていたか」と。

武蔵には石舟斎しか眼中に無かったけれども、石舟斎は二人を取り巻く空間全体を把握していたということである。

石舟斎は大自然という偉大な力をも自分のものとしていたのだろうか。

これは、たとえば 2 次元と 3 次元の差に近い概念なのかもしれない。 3 次元の世界は 2 次元のそれを完全に覆い尽くし、遥かに広々としたイメージがある。

平面内では線で遮られていて向こう側に行けなくとも、3 次元空間ならば、その線をちょっとジャンプするだけでいとも簡単に向こう側に行けるという寸法だ。

何か素敵なモノを探している時。

次元を一つ増やして時空の場をぐっとひろげるなら、新しい発想というものはどこからともなくきっとやってくるだろう。