2005 年 08 月 20 日 : Feeling
サラリーマンをしていた頃は誰もが知っているブランドを売っていた。ベンチャーはその対極にあって、誰も知らないブランドを売るところから創まるビジネスである。だからベンチャーをはじめたばかりの頃は、自社の製品やサービスを販売するのにさまざまな創意工夫を施したものだった。
その過程において思ったのは"フィーリング"という概念である。どんなものにしてもモノならば人間が作るから、それと似たものは他の人間にも作り得るという可能性を認識せねばならない。例えば、自動車にしてもテレビにしてもパソコンにしても、さまざまなメーカーが製造して販売している。
それを買う側の立場にたってみると、製品を販売する時のコツというものがつかめるような気がする。私たちはモノを買うとき、どのような価値判断で選択しているだろうか。購入するまでに少しは考えるような高価な自動車や電気製品、洋服を買う時のことを想像して欲しい。結局、何となく良さそうだから人はそれを選ぶ。
自動車なら、移動するという意味ではどんな車も変わりない。けれども、買う車はどれでも良いと言うわけでなくその車でなければならないのだ。その車に乗ってハンドルを握った瞬間に感じる"フィーリング"がきっと決定的なんだと思う。
消費者は製品に触れたとたん、本能的に作り手の思いとシンクロしそのフィーリングで購入の意思決定をしているのではいないかと思う。購入者と開発者は直接話をするわけではないけれども、製品というものを媒体にしてコミュニケーションしているように。
そんなこともあって、スタッフがどんな思いで製品を開発しているのかということはとても大切と考えている。だから夢や希望や憧れを抱いて創られた製品にはそんな想いがきっと込められるから、それは人々から選ばれるのだろう。