2005 年 01 月 26 日 : 光速の潮流の中で
au の CM ソング、「オレンジレンジ」の「花」は昨年の年間シングル CD 売上ランキング第 4 位を記録したらしい。自宅で仕事をするとき、「オレンジレンジ」の曲をよく流している。仕事がなんとなく捗るからだ。音楽には特別に不思議なパワーを感じる。
インターネットで調べてみると、「オレンジレンジ」というグループのデビューは 2002 年だ。私たちがソフィア・クレイドルを創業したのも 2002 年。
それ以前は、ほとんどの人は「オレンジレンジ」の曲を耳にすることは無かった。いまでは「オレンジレンジ」という名前は知らないにしても、ほとんどの人がどこかで彼らのメロディーを聴いたことがあるのではないだろうか。
初めて彼らの音楽を聴いたのは、会社近くのガソリンスタンドに設置されたラジカセから流れる「上海ハニー」という曲。2003 年の夏頃のことだった。なんとなくいい曲だなと思いながらその場を通り過ぎたのを覚えている。
2003 年の暮れの NHK 紅白歌合戦だった。そのステージで、彼らは「上海ハニー」を熱唱していた。初めて「オレンジレンジ」という名を知った瞬間だった。そして、早速、年が明けた 2004 年の正月に CD ショップで「1stContact 」という彼らのアルバムをゲットした。斬新さと初々しさと同時に奇妙な心地も感じつつ、その音楽に耳を傾けていた。
最近、少し余裕も出てきた。どんな曲がトレンドになっているのか探るべく、CD ショップに足を運ぶこともある。2002 年〜 2003 年は、会社の立ち上げで忙しくて、余力はほとんど無かった。
「オレンジレンジ」の例を挙げるまでもなく、音楽業界ではアーティストたちの浮沈がとても激しい。たった 2 年間で、国内音楽シーンの頂点を極めるほど、素晴らしい作品を創り、洗練されたプロモーションが展開されるケースもある。無論、その逆の方が多かろう。しかし、計測された年間の順位などにこだわらず、音楽の世界は、特別な醒めない夢の感じられる世界であることにずっと変わりはないだろう。
コンピューターを一種のメディアと捉えて、プログラミングを音楽でいうところの作詞、作曲のような感覚で、自分たちの思いを表現しようとしている。「カッコよさ」「クールさ」「トキメキ」「優しさ」「心地よさ」「驚き」「凄さ」などなど素敵な感嘆符をキーワードにして、それに触れる人の感情に共鳴するような作品を創りたい。ある意味では、ミュージシャンや画家、作家、詩人の思いに近い。
そして、クールさというような観点から自ら最高傑作として誇れる作品を、インターネットを介して、全世界の携帯電話に向けて配信したい。
究極の作品が完成し世界に浸透してゆく、その瞬間までは長い道のりだ。しかしインターネットの世界は、動き出せば光速のスピードで瞬く間に景色が一変する。
自ら世界を変革し、未来を創造することで、人生を生きる喜びを見出す。私たちの存在意義はそこにある。
作品が光速のスピードで世界中に拡がるか否かは、自信やプライド、愛情といったものを持って作品創りに臨むかにかかっている。