2007 年 06 月 21 日 : SAX Parser for BREW
BREW 携帯電話で、Amazon のサイトから XML 文書をネット経由で取得して処理する BREW アプリ(本棚アプリ Books Application )を公開した。
SAX パーサーを使っているのが最大の特徴である。
BREW 上で SAX パーサーを実現している会社や団体は他に存在しないので、BREW では世界初の SAX アプリかもしれない。
Webサービスでやり取りされる XML 文書を処理を処理するためには、その文書がどんな構造になっているのかを解析する必要がある。
そのためのソフト技術として DOM パーサーと SAX パーサーがある。
DOM パーサーでは、XML 文書を DOM(Document Object Model) という木構造の形式で文書全体をメモリ上に展開して処理する。SAX パーサーでは、SAX(Simple API for XML) という API によって XML 文書を先頭から順番に読み取って処理する。
SAX パーサーの場合、文章を一行一行読んで処理するので、 DOM パーサーに比べるとメモリ消費量がきわめて少ないのがメリットと言える。
実際に、BREW プロファイリング ツール Bleuet de BREW でメモリ消費量について調査した。
その結果分かったのは、解析対象の XML 文書にも依るものの、DOM パーサーで 300 KB 必要だった処理が SAX パーサーでは 3 KB の場合があるということだった。
国内の高機能携帯電話では、300 KB といっても問題にならないサイズかもしれない。けれども、海外のマーケットを見渡せば、300 KB のメモリを持たない携帯電話も多数存在する。
世界全体で考えると、日本のマーケットは 10 %にも満たない。だからマーケットの大半は、日本の状況とは全く逆であると考えるべきだと思う。
そういう意味において、高機能携帯電話に合わせてソフト技術を研究開発するのではなく、グローバルスタンダードとも言える携帯電話で、利用可能なソフト技術を、シンプルに創造するのがベターではないだろうか。