2004 年 11 月 17 日 : スタープログラマー
IBM のサンノゼ研究所の調査によると、小規模なシステム開発ですら、ソフトウェア開発者間で生産性の開きが 25 倍あるという。大規模なソフトウェア開発では、より顕著な差となるだろう。
ソフトウェアビジネスで成功をつかもうするなら、ひとりでもいいから、ミュージックシーンで売れてるアーティストのような、スタープログラマーらでチームを構成することが肝要だ。
浜崎あゆみは毎年コンスタントに年間レコードセールス 100 億円以上を記録する。これくらい売れているアーティストはごく少数である。むしろ全く売れないミュージシャンが大半である。2 者のパフォーマンスの差は無限大と言ってよいほど甚だしい。
限られた経営資源でスタートするベンチャーの場合、"浜崎あゆみ"のように売れるアーティストに相当するプログラマーの存在が輝かしい未来を決定付ける。
アップルのスティーブ・ウォズニャック、マイクロソフトのポール・アレン、サンマイクロシステムズのビル・ジョイなど、米国で巨大企業にまで成長した IT ベンチャーには、必ずといっていいほど、天才的なプログラマーの存在がある。
マイクロソフトのビル・ゲイツは、商品そのものであるプログラムのソースコードを最も重視していた。自らプログラムコードの内容をレビューしていた。それ自体が商品だからである。マイクロソフトではプログラマーの地位が高いのである。
日本のソフトウェア業界は上流志向が強い。プログラミングという仕事は定型的で誰にでもできる。システム分析やシステム設計ができる方が偉いとする考え方である。日本ではプログラマーの地位が低く、天才的なプログラマーが育ちにくい。
本当はプログラミングがしたいのに、周囲に流されて、分析者とか設計者、或いはプロジェクトマネージャーの方が地位が高いと勘違いし、肝心のプログラミングをしなくなる。
システム分析やシステム設計ができても、プログラムとして実現されなければ、絵に描いた餅だ。画期的なソフトウェアが日本から世界へ広まっていない現実は残念である。
今、携帯電話に代表されるモバイル機器は掌に収まる超小型コンピューター兼ネット端末に変貌しつつある。ハードウェア機器や通信インフラは日本が世界で最も進んでいる。モバイル機器上で無尽蔵に残されている世界のソフトウェアマーケットで成功できるチャンスでもある。
短い人生なのだから、アーティストといえるスタープログラマーとドリームチームを結成し、時代を変革したい。
スタープログラマーと共に、独創的なソフトウェアを世界に送り出す未来が待ち遠しい。