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2005 年 07 月 01 日 : 携帯ネット速度が10倍に

2005年7月1日発行の日本経済新聞(朝刊)1面トップ記事によれば、2006年からNTTドコモボーダーフォン携帯電話のネット速度を現行の10倍に引き上げるとのこと。来年から携帯電話もパソコンと同様に高速なインターネット接続となる。パソコンの利用方法がADSL光ファイバーによるブロードバンド化で大きく変化を遂げたように、携帯電話の使われ方も一段と進化することだろう。(実はKDDICDMA 1X WINでは既にブロードバンドになっていって、新時代の予兆が伺える。)

1990年代の中頃から、「IMT−2000」という標準規格が定められるなど2000年以降は携帯電話も3G(第3世代)の時代を迎え、マルチメディアによる高速通信が当たり前のようになるだろうと言われてきた。それが5年以上遅れてようやく実現しつつある。(新聞紙面では"3.5G"と表現されていた。)

携帯電話の場合、画面が小さいのが最大のネックである。QVGA液晶などによって、携帯画面も高精度化の方向にあるが、物理的なサイズの問題は如何ともしがたい。

通信速度が10倍になってブロードバンド化するということは、単純に考えればインターネットのサーバーから今よりも10倍の情報を取得できるということである。だからその情報量の拡大をどうやってカバーするかというところに、ベンチャービジネスのチャンスが隠されていると信じた。

ソフィア・クレイドルを創業した頃の話。新しいソフトビジネスでの成功を思い描いた時、携帯電話のCPUとネット速度が現行のパソコンのものを凌ぐのも時間の問題であろうと未来を展望した。パソコンと比較して、依然として残る携帯電話の圧倒的に不便な点は画面の狭さと操作性の悪さであった。近未来の人々が必然的に遭遇するであろうそんな問題発掘に意識的に努めた。

その一つの解決策がPDA(携帯情報端末)にあるようなペンを前提としたユーザーインターフェースであり、テレビのチャンネルを瞬時に切り替えるようにして、たくさんの表示画面を自由自在に高速に閲覧できる携帯電話向けマルチウィンドウシステムであった。

追記:

ネット速度が10倍になることは、単純に考えれば従来のコンテンツが同時に10個受信できるということを意味する。しかし携帯電話の画面サイズが10倍になることはない。だからテレビのチャンネルのようにそれらを瞬時に切り替えて、それらのコンテンツを閲覧できるソフトウェアテクノロジーは渇望されるであろうと考えた。そして、そのようなものを実現した。