2006 年 02 月 22 日 : 新しい Web
ジェームズ・W・ヤング氏の著作『アイデアのつくり方』に重要なメッセージが含まれている。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
世の中に存在する数え切れないほどバラエティに富む物質や生命ですら、元素レベルにまで分解すれば、そこにはたった 100 種類程度の元素しか存在しえない。
言わば、創造というプロセスそのものは単に既存の概念や物事を組み合わせるという行為に過ぎない。
最近、顕著に思うのは創造性が溢れるものへの人々の期待感である。
何か新しくて世の中を良き方向へと誘う「革新」がこれほどまでに望まれた時代は無いくらいである。
そういった風潮もあってか、過去に例を見ないほどに、新しきものが生まれては消え生まれという繰り返しのスピードに加速度が増しているかの如くである。
玉石混淆の新しきものの中にあって、真に価値のある「玉」は限りなくゼロに近いほど貴重なものではあるが、稀に出現するそんな「玉」が新しい時代を切り拓いてくれる。
いまも続いているのだけれども、昨年夏頃から自社のホームページを XML の技術( XHTML + CSS )を応用したものへと全面リニューアルしている。まずコンテンツとそれを表現するものを分離するところからスタートしている。
将来的には、他の Web サイトとコンピューター同士がインターネットを介して自動的にコミュニケートすることで、新しき情報のカタチが創造されるバーチャルな空間に期待を寄せている。
XHTML + CSS によってサイトをリニューアルするだけでも、コンテンツとデザインの 2 種類の組み合わせに過ぎないけど、いろんなバリエーションで Web サイト自身がリアルタイムに万華鏡のように、一瞬のうちに変貌を遂げる姿にワクワク&ドキドキなトキメキを感じたりする。
XML という言葉を初めて耳にしてから 10 年ほどが経過した。正直言って今頃になって XML テクノロジーの有り難さを実感し、未来への確かな希望を抱いているところである。
10 年前から XML には可能性を感じていただけに、いまのビジネスでもそれに力を入れて推進している。
XML というテクノロジーの素晴らしさは、新しいものを創造する時に必須となる、いろんな情報との自由自在な結合性にあると考えている。
PC の世界ではそれが現実のものとして、Google 、Yahoo!、Amazon … と著名なサイトから順次情報が公開され、インターネットに繋がった人々の叡智によって、まだ数は少ないかもしれないけれど価値のある創造が世界中で発生している。
同様の流れが携帯電話でも起こるのは間違いない。
そう思って、インターネットで公開されている XML の情報( Web サービス)を携帯電話上で想いのまま編集できるインフラを研究開発してきた。
システムはほぼ完成し、来月には一般公開できる見通しである。
その際、携帯電話で XML の技術を扱う上で避けて通ることのできない要素とは何かという発想が重要だったと思う。
いまのところ、次のように考えている。
携帯電話はハードウェアの物理的な資源が限られるだけに、スピード、サイズ、インターフェースが大きな壁として立ち塞がる。
その壁をどのようにして乗り越えるかが肝心だ。
それは携帯電話向けソフト開発ビジネスを創めた時から一貫した課題であった。
その課題に妥協することなく集中特化して取り組み、パーフェクトなテクノロジーとして完成させようとした思い。実はそんな心意気が、携帯電話で XML を簡単にすばやく軽く扱えるプラットフォームを実現させる要因となった。
既に PC で処理されている XML の情報を、携帯電話でもネット経由でかつて無かったものを創造する新しいパターンによって、時代は大きく前進するだろうと夢を抱いている。