2005 年 10 月 28 日 : Web 2.0
Web 2.0 というキーワードをよく耳にする。ネットで検索するとカンファレンスも開催されている。Web の使われ方が次の世代へと進化し始めているということらしい。BLOG 、SNS、Wiki などがその典型的な例である。
Ross Mayfield 氏が Web 2.0 の本質を "Web 1.0 was commerce. Web 2.0 is people" という風に一言で的確に表現している。BLOG もそうなのだが、人と人とのコラボレーションやその中から自然発生して生まれる智慧こそが貴重なもので、それが Web 2.0 の着地点だろうと思った。インターネットだから時と空間を超えて天文学的な数字の"智の連鎖"が生まれてゆく。
"量は質に勝る"と言われたりもする。Web 2.0 では、それが正しく当てはまるケースなのかもしれない。天文学的な数字に上る"智の連鎖"の中にこれまでに人類が目撃し得なかった"ダイヤモンドの輝き"を発見できたりもするだろう。
Web 2.0 ビジネスにおける勝者の条件とは何か?"Web 1.0 was commerce. Web 2.0 is people"であるのならば、そのネットに関与する人びとの多さではないかという見方もできる。世界の人口構成から言えば英語や中国語を母国語とする人が多い。
ネット上で表現される智慧は言葉と絵や写真などによって表現される。取り分け重要なのは言葉の問題であると思う。日本語を使う人は1億人を超える程度。世界全体の人口から言えば、60 分の 1 に過ぎない。極めてマイナーな領域と言わざるを得ない。
BLOG、SNS などの Web 2.0 の範疇に属するサービスが日本国内でも急激に人口を伸ばしている。これらのサービスも何れはインターナショナルに統合されてゆくのが自然の流れだと思う。けれども、この種のサービスを提供している国内のネット系 IT ベンチャーで英語や中国語で海外に向けて情報発信している例はほとんど見られない。
ブロードバンドが世界で最も進んでいる日本だけに、今の段階から世界を意識した Web 2.0 のビジネスチャンスは大いにある。そのためには世界的な視野でものごとを捉えてグランドデザインする姿勢が以前にも増して重要になってくるだろう。