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2006 年 03 月 02 日 : 数学からの発想 I

コンピューターの理論そのものが 2 進数の数学ということもあって、研究開発で最も大切にしているのは数学的なアプローチ。

いま、この日記をインプットしている正確な住所は、『日本国京都府京都市左京区田中関田町 2 番地 7』である。

話を簡単にするため、高さを無視し、2 次元の世界で考えるならば、2 次元平面上の全てのポイントは、その平面の基本的な 2 つの要素の組み合わせで表現できる。例えば、緯度と経度の組み合わせによって表すことができる。

『日本国京都府京都市左京区田中関田町 2 番地 7』であれば、( 北緯:35.01.42.56、 東経:135.46.37.85 )である。

人は日本語で記述された住所の方が分かり易いが、正確さやシンプルさ、機械的な処理からは、緯度と経度の組み合わせによる数字の表現の方が圧倒的に優れている。

コンピューターの世界では、『日本国京都府京都市左京区田中関田町 2 番地 7』を、(N35.01.42.56, E135.46.37.85)という無味乾燥な数字に置き換えて処理がなされるのだ。

その方がスペースも少なくて済むし、機械的な処理をするプログラムも開発しやすい。

簡単な例で言えば、『3.141592653589793238462643383279…』という、延々と意味不明な数字が並ぶ『円周率』を単に『π』と置き換えることによって数式が断然見やすくなるのと同じ感覚である。

これは全然高度な数学的な理論じゃなくて、全く当たり前の基本的な概念に過ぎないけれども、とても大切な原理原則だと思う。

複雑なものを基本的な要素に分解し、それにマッピングするのである。

携帯電話向けソフト開発の場合であれば、"サイズ"、"スピード"、"ユーザーインターフェース"という 3 つのベクトルで構成される座標軸からものごとを洞察するスタイル。

僕たちの仕事の大半はこのような原理原則を繰り返し適用しながら進められている。