2006 年 03 月 02 日 : Atomic energy
小さな原子レベルの話ではあるが、2 つの原子核が融合し、新しい原子核が生まれる、核融合の時に放たれるエネルギーは巨大である。
逆説的だけれど、本当に衝撃的なものって実際のところ原子のような矮小な世界にあるのではないか。そんな想いを抱いて研究開発事業を展開している。
お客様の声をよく聴いてニーズを見出して、商品やサービスを開発し販売せよと言われる。
確かにそうすれば、そのお客様や同じようなニーズをもった人々にその商品は売れるかもしれない。
でも時を超えて万人に選ばれるものって、そんな行動パターンで生まれるのだろうかという疑問もある。
例え今風のトレンドにのって流行っている曲にしても、数百年後の世界では跡形もなく消え去っているのが大半ではないだろうか。けれどもモーツァルトの曲はいまもなお人々に愛されている。
流行っている曲もずっと愛され続けられるのってのもある。だから可能性はゼロではない。
そこで考察すべきなのは、モーツァルトは具体的な人々のニーズに従って妥協しつつ曲を作ったのだろうかという空想である。
僕は、モーツァルトの曲は、人間という生き物の心に共通する本質にシンクロして創られたのではないだろうかと思っている。
具体的なだれそれのニーズじゃなくて人間そのものが求めるものを創造したということである。
だから数百年の時が経過しても世界中の人々に親しまれているのではないか。
僕たちもそんなスタンスでいろんなコンセプトを構想しインプリメントしていきたい。
今のところ、まだ人間の本質を捉えたプロダクトやサービスを創造するという域には達していない。けれどもコンピューターというもののエッセンスを大切にして研究開発を推進している。
具体的には、コンピューターは 2 進数の数学で動作していると抽象的に考えてよい。
ただ数学の世界と異なるのは、人にとって時間は有限でありコンピューターを構成する部品の大きさも有限であるという現実だ。
人間の歴史は既知の境界線を未知の領域へと拡大してきたと言っても良い。
そんな時代の流れに僕たちも乗ることができれば、ベンチャーと言えどもきっと成功するだろう。
そういった発想から、コンピューターをコントロールするソフトウェアの世界で、スピードやサイズといった制約を革新するような事業は、いつの時代であろうと何処においても必ず人々に必要とされるだろう。
根本的な領域ではあるが、そんな原子レベルの世界にこそ秘められた偉大なパワーがあるんだと信じている。