2005 年 11 月 08 日 : Deep impact
事業をひろく世界へグローバル展開したい。それだけに情熱を傾けてベンチャーを起業し経営している。国内だけで充分とする妥協は一切ない。しかも製品が営業活動をしなくとも自ずと人びとに選ばれ、ひろがりゆくスタイルを理想型とする。
スタッフは世界から募り、全員が異文化に触れ自然とグローバルな発想ができる"場"であることを意識している。母国語とは異なる言葉を使わざるを得ない空間から、斬新かつ偉大な発想が生まれるかもしれない。
グローバル展開するために製品のあるべき姿について、深く掘り下げて考える日が幾日も続いた。その過程で得た結論というのは、"普遍性"というキーワードである。乾いた砂に水が染み込んでゆくがごとく、製品が世界に一瞬のうちにひろまるには"普遍性"こそが命になるだろう仮説だった。
日常生活で、"普遍性"のあるものと言えば、"水"を挙げることができる。人の構成要素の大半は水分と言われ"水"なくして生きれない。また世界中あらゆるところに存在する物質である。"水"は自然の摂理で既にグローバル展開がなされているわけである。
食べ物には必ずその成分に"水"が含まれる。しかし"水"が含まれるという理由で、その食べ物が普遍的に世界に受け入れられるとは限らない。パラドックスに思えるが、物事というのは複雑化するに連れて普遍性を失うという事実を証明しているかのようだ。
インターネットはその普遍性から世界中にひろまった。しかしそこで展開される Web のサービスは文化や風習、習慣、法律など、国と国を隔てる国境が障壁となって、グローバル展開が難航を極めているようにも思える。
ソフィア・クレイドルでは、携帯端末向けのソフトを記述するためのプログラミング言語と、プログラム圧縮に関する技術をグローバル展開させようと志している。普遍性を持たせるために意図したのは、PC やサーバーの分野で、既にグローバル展開が完了し実績のある Java と C++ というインフラを選択したことである。
ソフトを開発するにはプログラミング言語は必須である。プログラムを圧縮する技術も無いよりあった方が良い。何故なら、プログラムを記憶するメモリと通信コストがその分少なくて済むからである。
単純な理由だけれども、"水"が普遍的に世界中になくてはならない理由はシンプルである。"水"なくして、人は生きていけない。それくらいインパクトのあるレゾンデートルを見つけることができれば、グローバル展開はきっと成功するに違いない。