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2005 年 08 月 25 日 : Ideal

戸を出ずして、天下を知り、
窓を窺(うかが)わずして、天道を見る。
其の出ずることいよいよ遠く、
其の知ることいよいよ少なし。
是を以て聖人は行かずして知り、
見ずして名づけ、為さずして成す。
(「老子」第47章)

一歩も外に出ずに天下のことをすべて知り、窓の外を見ずに天の道をすべて知る。遠くへ出かければ出かけるほど、逆に知ることは少なくなる。それ故に聖人は何処へも行かないでもすべてを知り、見なくともその名を言い当て、何の行動もせずに万事を成し遂げる。

老子が語るこの生き方を、ソフィア・クレイドルの理想の経営スタイルとしている。さすがに創業初年度とその翌年は企業存続のために、他に頼るあても無いので私自身が営業に出かけることもあった。経営に困らない最低限の受注をクリアすればそれ以上の営業活動は敢えてしなかった。むしろどうすれば老子が教えるようなスタイルが現実になるのだろうかと思索していた。お陰さまで今では事業運営に必要な経費は楽にカバー出来ている。

何ごともイメージしないことには始まらない。スタッフが最高傑作と誇れる作品を創造し、営業するまでもなくお客様がそれを選ぶという自然な流れ。それが最善のスタイルでありそれを実現することを目標にしている。今は営業活動することもなければ資金繰りに奔走することもない。自分の理想実現に集中特化し、与えられたすべての時間を投入している。

言葉でいうのは簡単だが、それを具体化するのは難しいものである。しかし日常生活において重要だと思うことがある。自分がモノやサービスを買うときの話である。それは人から勧められてというより自分の感性で選んで買う場合の方が多いという事実だ。ごく自然に当たり前のようにして儲かる商売のヒントはそんなところにありそうだ。