2005 年 11 月 02 日 : PDAなどのプログラムをBREWへ移植する支援ツールを開発
[PRESS RELEASE]
ソフィア・クレイドル、PDAなどのプログラムをBREWへ移植する支援ツールを開発
〜 BREWとPDA、iPod、PSP、NintendoDSなどの携帯端末間でプログラムの共有を実現 〜
[概要]
携帯電話向けソフト開発の株式会社ソフィア・クレイドル(本社:京都市、代表取締役社長:杉山和徳、以下 ソフィア・クレイドル)は、PDA、iPod、PSP、NintendoDSなどの C 言語で記述されたプログラムをBREWへ移植支援するツールを開発しました。このツールはBREWで大域変数を使用できるツール 『svHacker(エスブイハッカー)』 と『SophiaFramework (ソフィア・フレームワーク) 』に含まれるARM組込み標準関数を利用可能にする技術から構成されます。 2005年11月2日より、『svHacker』は『SophiaFramework 』ユーザーに無償配布されます。
[詳細]
携帯電話の普及に伴い、様々な端末上で動作するアプリケーションが携帯電話に移植されています。
今後もこの現象は続き、全世界で42 万人が参加するPalm のアプリケーション開発者コミュニティに登録されている2万5000個のアプリケーションや、全世界累計出荷本数1,960万本を記録したソニーのPSPのアプリなども携帯電話へ移植される可能性を秘めています。
これらの端末に搭載されているのがARM社【※1】のプロセッサです。ARM 社のプロセッサは、組込み機器の分野で約 80 %のシェアを占めます。Palm や PocketPC などの PDA 、ソニーの PSP、アップルの iPod、任天堂の Nintendo DS のプロセッサも ARM 社製です。
BREWが搭載された携帯電話にも ARM社プロセッサが搭載されています。しかし、 BREW 【※2】 では C 言語で可能な大域変数 ( static variable ) 【※3】 と ARM の浮動小数演算などの組込み標準関数【※4】が使えません。
この問題を解決するのが 『svHacker』 と 『SophiaFramework』【※5】です。 『svHacker』 はBREW の仕様を超えて C 言語の大域変数を利用可能にします。ARM 組込み標準関数の利用は『SophiaFramework』 が実現します。これによって PDA 上での手書き文字認識プログラムをはじめ、様々な ARM 社製マイクロプロセッサが搭載された端末向けの C 言語で記述されたプログラムを BREW 上へ容易に移植できます。
なお、2005年11月2日より、『svHacker』は『SophiaFramework 』ユーザーに無償配布されます。
SophiaFramework URL: リンク
本プレスリリースURL : リンク
(※)『svHacker』 はあくまでも開発補助ツールであり、構造上 QUALCOMM 社 の BREW の仕様の範囲外です。ソフィア・クレイドル はこのツールの動作に対して一切保証しません。本ツールを利用する場合はキャリアなど BREW サービス提供者に相談してください。
以上
■用語の説明
【※1】ARM社
イギリスのマイクロプロセッサメーカー。同社のプロセッサはプログラムサイズが小さく、面積が小さく、電力消費量も小さいため、あまり大きなメモリを搭載できない制御機器、携帯電話、PDA、ゲーム機などの携帯機器の組み込み用プロセッサやとして広く普及している。
【※2】BREW
読み方:「ブリュー」または「ブルー」
2001年1月に米国クアルコム社が発表した携帯電話向けソフトウェアの規格。異なる携帯電話機のOSの仕様差を吸収し、単一のコンパイル後のプログラムをインターネットからダウンロードし、さまざまな携帯電話機でそのまま高速に動作できるように設計されている。日本ではKDDIが2003年2月よりBREWサービスを提供開始。NTT ドコモの一部の機種でBREWが採用されている。2005年10月現在、世界で29ヶ国56 の通信キャリアが採用しており、世界的な規模でその普及が急速に進んでいる。
【※3】大域変数
その名前と値がプログラム全体で有効な変数である。プログラムのサイズを押さえると共に、スピードも速くなるメリットがある。そのため、ハードウェア制約の厳しい携帯電話などには有効なものである。BREWでは大域変数は利用できない。
【※4】組込み標準関数
三角関数、指数関数、対数関数などプログラミング言語に機能として提供される汎用的な関数のこと。組込み標準関数を利用する場合、プログラマーはその関数を定義しなくてもよい。
【※5】SophiaFramework
読み方:ソフィア・フレームワーク
ソフィア・クレイドルが2002年8月に発表した、BREWアプリをC++プログラミングで開発することを世界で初めて実現した唯一のBREW向けC++オブジェクト指向開発環境。ユーザーインターフェース、通信、グラフィック描画、文字列処理など、ビジネス、コンテンツ、ゲームなどジャンルを問わず、あらゆるBREWアプリを開発するのに必要十分な“クラス”と呼ばれるプログラムモジュール群がラインナップされている。すでにKDDI公式EZアプリ(BREW)やビジネス系BREWアプリで多数の導入実績がある。
詳細情報URL: リンク
■ 会社の説明
株式会社ソフィア・クレイドル
代表者: 代表取締役社長 杉山和徳
設立日: 2002 年 2 月 22 日
所在地: 京都市左京区田中関田町 2 番地 7
資本金: 2645 万円
事業内容: モバイルインターネットに関する:
1.ソフトウェア基礎技術の研究開発
2.ソフトウェア製品の製造及び販売
3.システム企画及びインテグレーション
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