2005 年 07 月 10 日 : 行百里者
『戦国策』(秦三巻)に「行百里者半九十(百里を行く者は九十を半ばとす)」という有名な箴言がある。百里の道程を行くときは九十里で半分まで来たと心得ることこそが、ものごとをパーフェクトに完成させるための秘訣ということだ。
途中まで計画通りなのに成就せずに終ることが多い。それは最後の詰めの段階でそれまでの成功体験を過信して油断する人間の弱さにあるのかもしれない。
だから自分のイメージしたビジョンを実現するためには、残り10パーセントに辿り着いたといえども、まだ半分しか仕事は終っていないと気持ちを引き締めてより慎重に行動するように心掛けたいものである。それによって達成不可能と思われるような仕事や偉業も、必然的に現実のものとして姿を顕すのではないだろうか。
今、18ヶ月というベンチャーにしては長き時間をかけ、そのフィニッシュを決めるべきフェーズのソフトウェア研究開発プロジェクトがある。その完成まで残り2ヶ月を切った。『戦国策』の「行百里者半九十」という言葉をよく噛み締めて最後の詰めに取り組む姿勢が大切だ。
昨年の3月以来、ソフィア・クレイドルの時間と労力の90%は、全世界のマーケットをターゲットとする、この新製品の研究開発に捧げられてきた。具体的な収益というビジネスのかたちになるのは、2005年10月からスタートする第5期からであり、これに託す思いは計り知れない。
先週は、残り2ヶ月という貴重な期間をどのように過ごしてその思いを必達するかという道筋について、スタッフ全員と議論しながらその計画を策定していた。
追記:
バージョンアップされた新製品について再び Episode が語られる日が来ることを願っている。