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2005 年 10 月 07 日 : エンドレスな軌跡

販売すべきソフトウェア製品が完成した今、ソフィア・クレイドルのビジネスは単純に次の方程式で表現できる。(ライセンスビジネスなので [売上] = [粗利益] )

[粗利益] = [製品の種類] × [販売価格] × [販売数量]

この方程式の利益を最大化する目的の一種のゲームを考えてみよう。このとき、ゲームに勝利するには「製品の種類」「販売価格」「販売数量」の各パラメーターを最大化する方法を発見すれば良い。人的にも物的にも資金的にもいろんな制約条件がある。だからこれら三つのパラメーターは相矛盾し同時にプラスというわけにはいかない。それ故にアーティスティックなバランス感覚が要求される。

恐らく重要なのは経営におけるプライオリティであろう。プライオリティとはどのようにして設定するのがベストだろうか。起業家ごとに経営のスタンスは異なる。経営に対する自分の思いを表現する姿勢が問われる事柄だ。

できる限り長くソフィア・クレイドルが存続できるようにという思いが私のスタンスである。歴史を振り返った時にある事実に気付いた。どんな組織も範囲を拡大しようとするあまり却って衰退を加速するのではないだろうかということだ。ローマ帝国、モンゴル帝国、古代中国の秦など、あらゆる組織が巨大化することによって繁栄は築けても結果として必ず崩壊を余儀なくされている。だからソフィア・クレイドルの存続を願うには、できるだけ少人数で運営する仕組みやシステムこそが最もプライオリティが高いと考えている。

そのためには「販売価格」を高値で維持することが最も近道ではあるが、一般に製品価格と販売数量は反比例の関係にあって製品価格を高くするとその分製品の販売数量は減少する。

ではどうすれば良いかというと量より質を追求することである。この場合の量とは製品の種類のことである。製品の種類が多ければ多いほど開発や販売に携わる人の数は増える。だからと言って新製品は売れるとは限らない。大抵の新製品はマーケットからすぐ姿を消している。

ある種のヒット製品には限りなく売れ続けるというマーケットの側面がある。コンピューター業界ではそれが顕著である。Windows、Intel、Apple、ORACLE、Adobeなどの製品は寡占状態とも言える。販売する製品を限りなく絞ってヒットさせれば、同時に販売数量も最大化されるのではという未来が予想できる。

製品を販売し受注し出荷する業務そのものをシステムとしてIT化すれば、ソフトウェア製品なので販売数量が増えても人員を増やすことなく単純にコンピューターをグレードアップしたり台数を増やすだけで済む。至極シンプルなビジネスモデルが出来上がる。

もう一つ大切なことがある。それは絞り込んだ製品がロングレンジに渡って売れ続けるかどうかという視点だ。ロングセラーをどうやって発見するかが真の課題なのだ。IT 業界の場合、私たちが日常で使っている言語(言葉)から類推してプログラミング言語の周辺にあるのではないかという仮説を立てることができる。日本語も英語にしてもあらゆる言葉について言えるのは何百年間もその基本形は変わっていないということだ。

IT 業界では、次から次へと限りなく新製品の発売が繰り返されている。しかしそのコンピューターを動かしているソフトウェアそのものを記述しているプログラミング言語の大半は C/C++ や Java もしくは BASIC だ。ドッグイヤーとかラットイヤーとか言われて慌しい IT 業界でも、それを記述するプログラミング言語の世界では時が止まっているがごとしである。

1975年、ビル・ゲイツ氏が率いるマイクロソフトの歴史がスタートした。マイクロソフトの最初の事業は BASIC というプログラミング言語に関連するものであった。その BASIC は名こそ Visual BASIC と変われども、30年以上時を経た今も売れ使われ続けている。

果てしなくひろがるビジネスのヒントはこんなところに隠されていたりする。