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2005 年 12 月 12 日 : 創業の頃

最近まで、創業・ベンチャー国民フォーラムのサイトに掲載されていた記事です。サイト自体がなくなっているので、Googleにあるキャッシュから復活させました。( 2004 年 1 月の話)

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「携帯電話に特化したソフトウェア基礎技術で業界から高い評価」

起業のきっかけと研究開発スタイル

 私は、i モードが登場した 1999 年 2 月にテレビCMを見ながら、これは面白いと直感しました。その後ビジネスとしての可能性を模索し、2002 年 2 月に起業しました。

 最初は、大きなプログラムが携帯電話に収まるよう自動的に圧縮するソフトを開発しました。製品は大手のゲームメーカーを中心に売れ、iアプリなどの携帯電話用ゲームに導入されています。 さらに現在ではウインドウズのような機能を携帯電話に搭載した製品を開発し、販売しています。

 今のパソコンは、5 〜 10 年後には携帯電話のサイズに収まるようになると思います。パソコンのウインドウズ、ブラウザ、データベースなどの機能を携帯電話に搭載すれば、大きな市場が生まれます。

 顧客と相談しながら当社製品の機能を拡張していけば、想像できないことが起こると思います。当社では、われわれが考えるコンセプトを製品として実装し、まず先進的なものを好む顧客に使ってもらいます。そしてその顧客の意見やアイデアを製品のバージョンアップに反映しています。まず 1 社で採用してもらうことで実績を積み、その後 2 社、3 社と徐々に取り引きを広めていくのです。

必要な人材

 自分で高い目標をもてる人が、私の考えるいい人材です。さらに、1 人ではいい製品はできません。さまざまな考え方を 1 つの製品にするということがいい製品を生みます。自律的に物事を考えることができ、異なる発想をもつ人と上手にディスカッションし、1 つの作品をつくり上げる人が必要です。

 社員には、自分で考え、社員間で議論してさらに考えることを徹底させています。さまざまな書籍を読み、さまざまな人の意見を聞き、自分の意見をぶつけ合い議論する。その結果に基づき行動し、どのように物事が進むのか観察し、物事の原理原則を見い出してそれを製品化する。当社には、目先の利益を追うのではなく、10 〜 20 年先を見据えた長いスパンで物事を考える人に集まってもらっています。

 また、創業時は、私だけが正社員で残りはアルバイトでした。売り上げや利益を見ながら、昨年から一人ずつ正社員化していき、現在は、常勤役員 2 名、正社員 4 名、アルバイト 10 名の計 16 名でやっています。

 実際正社員として入社すると、自分が思っていたことと現実のギャップが激しいのです。アルバイトとして働いてもらい、本当に当社で働いて楽しいと思えば正社員になってもらえばいいと思います。大企業で働くことが合っていると思えば、そちらに進む。お互いにそうしたほうがいいと思います。

徹底したローコストオペレーション

 高度経済成長期の日本企業は、社員を増やし、利益を度外視し、売り上げ規模を拡大してきましたが、結果としてリストラを行いました。当社は規模ではなく、社員 1 人あたりの売り上げや利益を重視しています。

 また、市場を世界中と捉えているため、営業拠点を新たに東京に設置することは考えていません。ソフトはインターネットで配信できます。IT 技術を活用すれば、支店をつくる必要はありません。Web サイトを通じさまざまな問い合わせに応えることで、顧客と良い関係を維持しています。

 創業時は、机やいすなどの備品も中古で購入し、経理などの事務も社長の私が担当しています。製品販売も、広告をだすのではなく、新聞や業界のホームページにプレスリリースを掲載してもらうことを考えています。出張も極力押さえ、営業は電話、メール、Web サイトなどを活用しています。

 こうしたローコストオペレーションで売れなければ、世界中に広げる製品はできないと思います。訪問して製品を買ってもらうのではなく、製品そのものの良さを理解した上で、買ってもらうことが重要です。

起業を目指す方へ

 現在の事業環境は、私が起業時にイメージしていたとおりにはなっていません。厳しい現実があり、そこをいかにして乗り越えていくかが課題です。

 こうした時支えになるのが、「なぜ自分は起業したのか」と思い出すことと、「自分が思っていることは、絶対達成できる」と諦めないことです。

 私は、毎年成長し、その成長の度合いも年々大きくなっていくなど、自分も社員も成長が感じられる会社をつくっていきたいです。着実に実績を積み重ね経営基盤を固めた上で、携帯電話会社や携帯端末メーカーなど大手企業と提携し、われわれの技術を広めていきたいと思います。

 数値化できない品質やデザイン力を高めていけば、生産量の多さや低コストで攻勢をかけてくる中国や東南アジアにも対抗できます。自分の好きなことで結果を出し、さらに良い環境の中で仕事をし、より顧客にとって使い心地が良い製品をつくる。

 私は今の自分の実力の範囲内で事業を展開していくことが必要だと思います。ベンチャー企業は、4 〜 5 年以内に上場を目指すなど急成長のイメージがありますが、自分たちの能力以上のことをやると会社は潰れてしまいます。徐々に自分の能力や人格などを磨いていけば、自然と結果もついてくるのです。

2004 年 1 月

株式会社ソフィア・クレイドル
代表取締役社長
杉山和徳

1962年10月大阪市生まれ。外資系コンピュータメーカー、シンクタンク、ITベンチャーを経て、2002年2月に京都市にて携帯電話向けソフトの研究開発を事業目的とした株式会社ソフィア・クレイドルを創業。現在までに、携帯電話向けのプログラム圧縮、ユーザーインターフェース、ネット閲覧などのソフトウェア基礎技術で業界から高い評価を得ている。

※誤字脱字などの不適切な表現、数字の誤りは修正しました。