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2006 年 01 月 01 日 : 必要なこと

東証一部に上場しているなかでも、年商 1 兆円を超える巨大企業が 21 世紀という新しい時代をどのように変革し、乗り越えてゆくのか、経営者として興味が尽きない。

大抵の企業は営業利益が 10 % あれば優良企業である。20 % もあれば超優良企業と称されて世間から絶賛される。

いま考えるべきは、 1 人当たりに換算した場合、いろんな数字はどうなのかということだと思う。

話を簡単にするために、企業のすべての費用を社員数で割った 1 人当たりの費用が 1000 万円であったとする。この時、大雑把ではあるが営業利益 10 % をあげるためには、1 人の社員が平均 1100 万円の売上をあげれば良いことになる。

大企業であればあるほど、ノルマともいえる 1100 万円の売上をあげた時点で、数字に満足しそれ以上の努力を怠る傾向が強いのではないかと思う。これが巨大化した組織の致命的な弱点ではないだろうか。

ベンチャーはそんな隙間にチャンスを見出して、新しいビジネスを創造できる点に特色があるといえるだろう。

ソフトウェアビジネスの場合、原価は無きものに等しいので、1 人当たりの売上が 2000 万円になっても経費は 1000 万円と見なせる。営業利益の観点から言えば、売上は従来の巨大企業の 2 倍に過ぎないけれども利益は 10 倍なのである。

販売チャネルをネットとコンピューターで自動化し、世界から受注できるシステムを構築し正しく運用すれば 1 人当たりの売上に物理的な限界は無くなる。

この種のビジネスを成功させるためのコンセプトとは何か?ということについてよく考える。

僕の結論はこうだ。

ネット上における「集客」、「サイトのデザインとコンテンツ」、「ソフトウェア製品」、「アフターフォロー」について、世界の同業のどのサイトよりも少しでも良いから抜きん出ている必要があるということだ。

そのためには、Web や 製品、お客様への対応に関して、人間の限界と言えるところまで全力を出し尽くして、駄目押しのようなもう一手が要求されるのではないか。

マラソンレースの 35 キロ地点以降、最後の力を振り絞ったものだけが栄光のゴールを駆け抜けるということが成功の要因になると思っている。

それでは、何故、マラソンのゴールドメダリストが、あんなにも苦しい思いをしてまでレースに参戦し見事栄冠を勝ち取れるのかという解答の中に、ある種のヒントを見出せるのではないだろうか。

自分の得意なジャンルで、好きだからそれをしているというのが、最もシンプルで重要な真理だと思う。

そういう感じで仕事ができるかどうかが偉大な成果を生み出すための分岐点となるだろう。