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2004 年 12 月 12 日 : 新しいアトリエ

新聞や雑誌、テレビ、インターネットなどのメディアを調べれば、日々、いかにたくさんの新商品が生まれているかがわかる。メディアに掲載されないものもあるから、多種多様な新しい商品が、毎日大量に誕生しているのだろう。

売れる商品というものは指折り数えるくらいしかないのが現実だ。コンビニに行くとよく分かるけれど、新商品は、いつの間にか無くなっている。書籍や CD も売れるのはほんのごく一部で、残りは売れずに返品される。

新しいものを創るには、たくさんの人とお金と時間が掛かる。貴重な経営資源を投入するのだから、なんとか有効に使いたいものである。数少ないけれども、大ヒットする新商品があるということは、ヒットする可能性はゼロではない。

世の中の動きを観察していると、画期的で革新的な新商品、つまりほんとに新しくて素敵なものは、大企業というよりもベンチャー企業から生まれるものが多い。ベンチャーという環境がそうさせているのだろう。ベンチャーといえる場所に、新しいコンセプトが生まれて、具体的な商品というかたちになって、世界にその姿を現す。

ソフィア・クレイドルは携帯電話のソフトウェアを研究開発している。

ソフトウェアという製品としての良さは、一旦完成すれば再生産するためのコストは限りなくゼロに近いということ。インターネット技術の発展のお陰で、インターネット経由で世界のいたるところに流通させることも可能である。ある日突然、世界的な企業になることも夢ではない。

ベンチャーのスタッフは、自分たちが世界を変える壮大なプロジェクトに関わっているということに、プライドを持ってもよい。

ベンチャーである以上、失敗すると後が無いというように、退路を断って仕事をする姿勢も大事である。

自分自身を背水の陣に追い込むと、不思議なことに、睡眠中も潜在意識が働いてくれて、いろんなアイディアが自然と浮かんでくる。

世の中にないようなコンセプトの新しいモノを創ろうとすれば、前例がないことだから、未完成に終わってしまう可能性もある。だが、環境次第では、不可能が可能になることだってあるのだ。

ベンチャーはそれが現実となる場である。そのたびに言葉では表現できない感動が訪れてくる。

できるだけ 20 歳前後の若者(それは、どちらかというと、実年齢より精神年齢において)を、スタッフとして採用するように心がけている。

新しいものを創造しようとすれば、経験や固定観念が邪魔をしてしまうからだ。未経験であれば、先入観がないので、新しいヒントが生まれることも多い。

限られた時間をどう活かすべきだろう?

自分の趣味に取り組んでいるときに、時間を忘れてそれに没頭していることはないだろうか。人間の脳というものは、時が経つのを忘れるくらいの時に、最もよく働くのではないだろうか。最も好きなこととして仕事に取り組んでいれば、最高の仕事ができる。「好きこそものの上手なれ」ということで、スタッフが好きなことしか仕事にしないようにしている。

苦心を重ねて完成した製品も、世間の常識からして新しければ新しいほど、採用してもらうのは難しい。新聞、雑誌、インターネットのメディアに掲載されるだけでもダメ。プレゼンやプレスリリースのメッセージを、製品開発と同じくらいよく考える必要がある。

大切な考え方は「お客様と一緒に製品を育ててゆく」ということ。

まったく新しい商品の場合、最初は作り手の一方的な思いが製品に反映されてしまう。けれども、これではお客様のニーズが 100% 満たされることは少ない。製品評価版などを、先進的なお客様に提供した後は、対話しながら、貴重な意見やニーズを取り入れてゆくことで、製品としての付加価値が飛躍的に高まる。

こんな風にして創られる製品は数少ない。だから生き残るべくして生き残るのである。