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2005 年 01 月 21 日 : ベンチャー起業の視点

5 年後、10 年後には、世界的にクールな会社として少しは知られる存在でありたいと願って会社経営している。

ソフィア・クレイドルはソフトウェアプロダクツを研究開発し、マーケティングするソフトウェア業という業種に分類される。

それでは、ソフトウェア業に分類されるベンチャーが、たゆまなく継続的に成長するための条件とは一体何なのだろうか?

どのような業種のベンチャーであれ、事業を始める時は、この問いを発することこそが、ベンチャー生存のための最優先事項であろう。この核心が分からなくて、目先の現金を追い求めたがために自滅していったベンチャーは数え切れない。

野球にせよ、サッカーにせよ、概ねスポーツにはルールがあり、表現していなくても「勝つためのセオリー」が在る。アマチュアはともかく、プロフェッショナルなレベルでは、それなくして勝利は有り得ないのだろう。常勝を掲げるようなチームは、そういう視点から真剣勝負である試合へと臨む。

ベンチャーを起業するということは、生存するための条件がプロスポーツと同じくらい厳しい現実があるかもしれないのに、そういう視座を据えない人たちがなんとなく多そうだ。

ある新卒採用関連事業会社のサイトによれば、「 94 %の会社は 10 年以内に潰れる」らしい。ほとんどの会社は 10 年以内に倒産するという事実は、おそらくどの会社にも共通する根本的なことが、等閑にされているからなのではないだろうか。

多くの起業家が、業界のルールや必勝セオリーを学ばず、真に大切なことを洞察せずに事業を始めていたりする。

ソクラテスの「無知の知」ではないけれど、自分がどこまで知っていて、どこから先は知らないのか。その境界線をまず知っておくことは、きっと万事に当てはまる大切な見方なのだろう。

ベンチャーである以上、未知の世界に飛び込むわけで、やってみないと分からないことも勿論たくさんある。しかし、過去の歴史から学べて、その現象を現在や未来に応用できることも意外に多いものだ。

ソフィア・クレイドルの場合、ソフトウェア業であるので、業界で成功した米国マイクロソフト社の歴史から多くを学ぶことができた。米国マイクロソフト社関係の書籍はほとんど揃えている。この会社の中には、ソフトウェア業におけるベンチャー経営のヒントが幾つも隠されている。逆に、失敗して消え去ったベンチャーについても、その原因を探って同じ失敗を繰り返さないように努めることができるだろう。

米国マイクロソフト社が成功した本質だが、次の 2 つが最重要なポイントであろうと考える。

1. IBM という世界 No. 1 のメジャーなプラットフォームの上でビジネスを展開していった。

2. 天才的なプログラマーのスカウトとその待遇に最も力を入れた。

米国マイクロソフト社からはこれらのことを学んだ。ソフィア・クレイドルでは、創業直後の 2002 年 4 月に、次世代携帯電話向けソフトウェア事業のプラットフォームを CDMA 技術で圧倒的シェアを誇る米国クアルコム社BREW に定めた。そして、創業以来一貫して比類なき若き天才プログラマーの発掘と育成に全力を捧げている。

追記:

それから、ハイテクベンチャーの場合、表面的な結果が現れるまでに時間がかかるのが難点である。我慢や辛抱というものも、ハイテクベンチャーの起業家に求められる資質なのかもしれない。