2004 年 11 月 20 日 : 人材を発掘する
プロフェッショナルな世界ほど「エース」の存在感というものは偉大だ。たとえば、松井秀喜選手にしても、大リーグ・ヤンキースに移籍した後の巨人は大きくスケールダウンしたと思う。
プロの世界では、人材発掘というこの重大な仕事を決して他社にアウトソーシングしていない。専業のスカウトが年中無休で有望な新人を求めて日本全国を駆け回っている。
会社経営においてもプロを目指すのであれば、プロ野球の球団や芸能事務所が自前で血眼になって人材を発掘するように、社長自らが先頭にたって会社経営の最優先課題と位置づけて行動することが肝心だ。
ソフトウェアを生業とする会社では、スタープログラマーの存在そのものによって、ビジネスの死命が決してしまうといっても過言ではない。プログラミングの天性、素質、才能に溢れんばかりの人材発掘に最も力を入れている。
人材紹介会社を使って人材を採用するという発想はほとんど無い。自社にとって有能な人材を世界中からスカウトするための専門部隊を創りたいほどだ。
エースが 1 人いるだけでも心強い。2 人、3 人と次第に増えることによって、会社というものは業績が心地よい指数関数曲線の軌跡を描いてゆく。
ベンチャーは、周りの環境に左右され、吹けば飛ぶような存在である。経営的に安定させるためにこのような手を打つことのプライオリティは極めて高い。それによって、いち早くベンチャーの域を脱することができるのだ。
有能な人材の発掘で心がけていることをまとめる。
肝心要なことは何か。
それは、向いているからこそ持てる才能を遺憾なく発揮するだろう人材を探すということだ。適材適所を究極なレベルにまで追い求めるということが理想だ。
ソフィア・クレイドルは、世界広しといえどもオンリーワン、しかもナンバーワンなものだけを創り、世界に提供することによって、人びとに感謝され、仕事の楽しみ、喜び、そして生き甲斐を見出そうとしている会社だ。適材を得るために、独創性や創造性といったような才能が他より抜きん出た人材を採用する努力を肝に銘じている。
独創性や創造性に秀でた人は、学校の成績でバラつきがあることが多い。成績がオール 5 というような優等生にはそのような人材は少ない。
例えば、数学はいつも 100 点満点だけど、関心の薄い国語や社会なんかでは 20 〜 30 点というような偏りがある人のことである。実際のところ、彼は、数学に 100 点以上の成績があるとするなら、500 点でも簡単に獲ってしまう。
活躍している人は、優等生タイプというよりは、偏ってはいるがユニークで貴重な才能を有するタイプだ。
求める人材の国籍を日本に限定していない。現在、ソフィア・クレイドルでは日本人以外にルーマニア人、中国人が働いている。海外にも有能な人材は確かにいる。
彼らは日本の教育を受けてきている訳ではないので、"一流大学⇒一流企業"のコースだけが成功のパターンでないことがよく分かっている。有望な人材を採用する意味においてはこれからはこのような海外の人材と共に仕事をし、成功を分かち合うことも重要な経営戦略となろう。
必然的に英語で話す機会も増える。日本語だけでなく、英語を使うこと、異なった文化を知ることで普段使っていない脳のシナプスが活性化され、「創る」という才能が育まれるのではないだろうか。