2005 年 07 月 02 日 : 星影
2005年7月2日時点で、「BREW」と「C++」というキーワードで、Google、Yahoo!、MSNという著名3大検索エンジンをかけてみた。すると、Googleでは143,000件、Yahoo!では205,000件、MSNでは40,848件、「BREW」と「C++」に関連する登録サイトがそれぞれあった。何れもソフィア・クレイドルのサイトが第1位にランキングされており、いわば三冠を制したことになろうと素直に喜んでいる。
「BREW」の業界で「C++」に関連する製品を研究開発し販売している会社は世界でソフィア・クレイドルだけである。だからなるべくしてそうなったと言えるかもしれない。けれども、ベンチャービジネスを創める何も定かでない霧の中を進む時期に、敢えてそういう選択ができるかが大切と思う。想定通りに事が運ばなければ全ての財産を失う結末を迎えるかもしれない。しかも世界中を見渡しても、自分たち以外誰もそんなことに挑戦していなかった。
今でこそ来年には世界で1億台を突破する勢いのBREW搭載携帯電話は、ソフィア・クレイドルを創業した2002年2月、世界マーケットではたった数百万台しか使われていなかった。その当時、NTTドコモ単独でも4000万台以上の携帯電話が利用されていた。そんな状況の中で、敢えて勝算を見込んでこの分野を選択するという種類の決断が、ベンチャー起業家には試されると思う。
何故、BREW搭載携帯電話というものに勝機を見出したかは、過去の日記で何回か触れているのでそちらを参照していただきたい。「BREW」そのものは米国のQualcomm社の提供するプラットフォームである。「BREW」だけの切り口であればQualcomm社と運命共同体の道を歩むことにもなりかねない。だから「BREW」だけでなく、もう一つの視点を求めた。それが「C++」というプログラミング言語であった。
例えば、Googleで「C++」をキーにして検索エンジンをかけてみると、世界で31,000,000件もの登録サイトがあることが分かる。それくらい世界レベルで考えてみれば、「C++」というものはメジャーなキーワードである。仮に「BREW」が今日のように世界中で普及が進むのであれば、そこには「C++」という分野が自ずと創造されるであろう。私たちは今「BREW」と「C++」を掛け合わせた業界で世界オンリーワンにしてナンバーワンを目指して、創業4年目の時間軸を駆け抜けている。
昼間は、太陽の光に遮られて見えない数え切れない程の星影も、夜になって見上げると自然に目に映ってくる。太陽が輝く空には無数の星が隠されているのだという事実は、ベンチャー起業のチャンスは無限大であることを示唆しているのかもしれない。
追記:
中学校の理科の授業で、恒星というものについて学んだことが懐かしい。宇宙全体からすれば太陽よりも遥かに巨大な光り輝く恒星は数え切れないほど存在するという。何億光年ものの距離感が人にそれが見えないようにしているのだろうか。このことは真に偉大なものほど簡単にはその価値を悟れないということを物語っているかのようだ。