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2004 年 12 月 04 日 : The long and winding road

スタッフが得意なこと、好きなことを仕事とし、いきいきと楽しく過ごすために、経営者が進むべき道や果たすべき役割とは何だろうか?

単純なことだけど、お客様の新しい満足を創造し、それに見合う収益を得ること。スタッフや会社が未来に向かって創造的に成長してゆく、というビジネスのかたち(即ちビジネスモデル)を確立することではないだろうか。得意なこと、好きなことだけしても収入がなければ、人は生きることができない。

それが現実の世界だから。

ビジネスモデルを構築するにあたっては、どんな仕組みでいけば、よりたくさん収益が得られるのかという視点が重要である。ゲーム感覚で、より多くの得点をとるために、どんな作戦でゲームを進めるのがベストだろうかと考えるのと同じ。そういう思考ができれば、ビジネスも楽しみながらやれる。マーケティング・スタッフには「ゲーム感覚で楽しんで!」といつもアドバイスしている。

世の中の役にたち、それだけたくさんの収益がでるビジネスであれば、その収益をスタッフや株主に還元できる。将来のために、更なる新規研究開発事業に投資することもできる。社員を含め、会社全体が大きく発展してゆく可能性が無限に拓ける。

どんなビジネスモデルを創れば、永続的にたくさん儲かるのか?

これこそ経営者が常日頃から真剣に考えるべき最重要課題だ。これによって、お客様を始め、スタッフ、株主、全ての関係者に報いることができるから。

携帯電話に組込まれるソフトウェアを、研究開発しマーケティングする事業を展開している。事業を創めるにあたって、自社のビジネスモデルを創るのに、参考としたのが、世界中に携帯電話機向けに電子部品を製造し販売して儲かっている企業のビジネスモデルである。

実は、ソフィア・クレイドルが位置する、この京都という地には、付加価値の高い携帯電話向けに電子部品を製造して、世界に販売し、しかもシェアがダントツで世界ナンバー 1 の企業が多く存在する。たとえば、京セラ日本電産ロームなどである。これらの企業は、完成品である携帯電話を製造している企業よりもずっと成功している。

こういう会社の事例を深く研究した結果、手っ取り早くアプリケーション開発案件を受託して日銭を稼ぐよりも、世界のあらゆる携帯電話向けアプリに利用できて、他では得がたい高度なソフトウェアテクノロジーを研究開発し、世界に向けてマーケティングすることこそが、選ぶべき選択肢であると確信した。

当時、携帯電話のソフトウェア業界でそのようなビジネスをしている会社は存在しなかった。ビジネスを展開するには、ゴールまでに長い曲がりくねった道のりが待ち構えていた。

ゴールに辿り着くには独創的な発想が要求された。まだ到達したわけでない。最初の着地点を目指して一歩一歩進んでいるところだ。

創業の時に、ビジネスチャンスを見出した米国クアルコム社BREWにはエクステンションというビジネスモデルがあった。そのモデルでは半製品であるソフトウェアモジュール(アプリケーションの部品のようなもの)を、世界の携帯電話通信事業者(キャリア)の無線ネットワーク(専門用語では OTA ともいう。Over-The-Air の略だ。)に乗せて販売することが可能であった。このようなこともあって、私たちは米国クアルコム社の BREW というプラットフォームを迷わず選択した。

まだ BREW のエクステンションの形式になっていない。今月末に完成する。ユーザーインターフェースデータベース通信ネットワークデータ圧縮などのソフトウェアモジュールを、世界の携帯電話に向けて OTA 配信できる日は近い。

早ければ来年から、そのビジネスモデルで事業を展開することになる。先ずは日本からであるが、2006 年以降はこのビジネスを全世界に展開することになるだろう。

世界の携帯電話通信事業者のサーバーに、ソフィア・クレイドルのソフトウェアを登録し、携帯電話の電波に乗せて、世界に何十億台と存在する携帯電話全てに向けてそれを OTA 配信することになるのだ。しかも、美しい素晴らしいソフトウェアを。

成功するための最も重要なキーは品質( Quality )である、と考えている。

世界の人々に、喜んで利用してもらえるためには、400 年余りにわたって世界の人々に親しまれてきたような、モーツアルトの音楽に匹敵するような、何かが求められると思っている。

心地よさや安らぎ、美しさ、ワクワクドキドキ感、調和、カッコ良さ …

突出した Quality に共通する何かが重要である。