2005 年 01 月 17 日 : Web marketing VI
ジェフリー・ムーア氏の「キャズム(Chasm)」というコンセプトをベースにして、ソフィア・クレイドルの製品情報サイトをリニューアルしている。
「イノベーター」、「アーリー・アドプター」、「アーリー・マジョリティー」との特徴を理解して、それぞれに適切なメッセージを伝えねばならない。
先ずは、BREW 向けアプリ開発環境である SophiaFramework から着手する予定。
SophiaFramework は、携帯電話でオブジェクト指向プログラミングができる開発環境を整備している。Windows のようなユーザーインターフェースを携帯電話上で実現している。それらの特長を、3 つのセグメントにあわせてどのように伝えるかが肝心。
■「イノベーター」は、目先のビジネスに関係なく、製品の技術に着目する。SophiaFramework によって、どれだけエレガントに C++ オブジェクト指向プログラミングができるか、クールなユーザーインターフェースを構築できるか等。「イノベーター」が納得できる技術レベルをプレゼンできないと売れない。
■「アーリー・アドプター」は、ビジネスの観点から製品の技術を採用するかを判断する。技術を応用することで、他社と差別化が図れ、かつそれが売れるなれば採用である。SophiaFramework を利用することで、何らかの新しいキラーアプリケーションが構想できそうであれば採用するだろう。例えば、実用的なタブを使ったマルチウィンドウの携帯電話向けブラウザが、SophiaFramework で実現可能か検討する。新興市場に上場していたり、凄い勢いで成長しているベンチャーはこのような視点からみる。
■「アーリー・マジョリティー」は、コストパフォーマンスを重視する合理派だ。クオリティの高いものを、それに見合うコストで実現できるとなると採用してくれる。実用的な BREW アプリを SophiaFramework で効率良く開発、保守できるかどうかが採用されるかどうかが鍵となる。ホームページ上で、簡単なアプリでも具体例にあげて、どのようなプロセスで開発するのかを説明しなければならない。評価版を提供し、実際に試せるように段取りしておくことも重要であろう。大手、もしくは急成長ベンチャーのシステムインテグレーターはこんな発想で、SophiaFramework の採用を検討する。
以上のようなセグメントが存在するわけだが、それぞれのセグメントによって思惑が異なる。その前提に立って Web サイトを構築しなければならない。
追記:
ハイテクベンチャーの場合、「アーリー・アドプター」と「アーリー・マジョリティー」との間にある断層(「キャズム」)をどう乗り越えるかでその将来が決せられるといっても過言ではない。
その流れは「イノベーター」が応用分野ははっきりとしないが何か革新的なものを創造する。そして、「アーリー・アドプター」がそこに何らかのビジネスチャンスを見出して、爆発的に売れるキラーアプリケーションを生み出す。その結果、「アーリー・マジョリティー」はテクノロジーに注目し、コストパフォーマンスの観点から評価する流れになろう。
ソフィア・クレイドルの場合、テクノロジーが広く世の中に普及するかどうかは実利的な観点が鋭いシステムインテグレーターから高く評価されるかどうかがポイントとなろう。システムインテグレーターによる採用が増えているのは良い傾向だ。