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2006 年 02 月 26 日 : ココロ揺さぶるモノ

学生の頃、よく聴いたユニット U2 が"How to Dismantle an Atomic Bomb"という CD で、2006 年グラミー賞 "Album of the Year" を受賞した。

仕事が忙しくて、実はこのことを知ったのは昨日のことなんだけれど、その CD を手にした瞬間、買ってしまっていた。

昨日から何度も繰り返し聴いているのだが、20 年前の音のクオリティを維持しつつも、そこにココロを強く揺さぶられる何らかの新しい要素が感じられたのは確かだった。

数え切れぬほど数多のアーティストがいる中でも、実際のところ、評価され売れているアーティストはほんの一握りである。

その分かれ目って一体なんなのか?という問い掛けは重要だと思う。

僕たちのビジネスでも、ソフトウェア製品を創ること自体は全然難しくもなんともない。

しかし、その製品がマーケットから評価され売れるのとは別問題である。多くのミュージシャンと同じ99%以上を占める大半のソフトウェアは時の経過と共に人々の記憶から跡形もなく姿を消してゆく。

「人々の記憶に残る」っていうのが最大のハードルじゃないかと、このビジネスをやっていてしみじみと実感する。

それでは「人々の記憶に残る」とは一体全体なんなの?という疑問が沸いて来る。

大学でロジカルに学んだ高度な理論は微かに記憶に残る程度だけれども、友達と楽しかった懐かしい思い出はいまでもリアルに記憶の中に残っている。

振幅の激しい「喜怒哀楽」に纏わる感情というものは、強ければ強いほど良くも悪しくも記憶の中に残るものである。時の経過と共に記憶の変容もあるかもしれないがその原点は変わらないだろう。

ロジカルでなくてエモーショナルなことっていつまでも人々の記憶に残る。

だから、日々リリースされる数え切れないほどの製品の中で、その製品がマーケットで健在であるためには、その製品の原点が人々の心を揺さぶるところにないといけないし、マーケティング活動にしても人々のココロとシンクロしながら進めなければならない。

今日は、U2 の"How to Dismantle an Atomic Bomb"を聴きながら、そんなアプローチの重要性を再認識させられる、そんな日であった。