2005 年 11 月 13 日 : 未知の領域
生き物は環境に適応して育つと言われる。ベンチャーは起伏のある世界である。だからその環境に置かれた人はそれにともなって、自ずとダイナミックにのびるのかもしれない。"ベンチャー"という環境に身を委ねるから、新しい自分を発見し成長を実感できるチャンスにも巡り合える。
起業家は自分の財産を事業に必要な資金に充当するのが普通である。サラリーマンであれば仕事に必要な道具や資材、設備などは会社が用意してくれる。
言葉で表現すれば至極簡単である。けれども 2 つのスタンスには大きな違いがある。要は世界が全く違って映ってくるのだ。
財産でも家とか車とか、人にはそれぞれ自分が特に大切にしているものがあると思う。それと同じ感覚で事業を捉えることが自然にできる感じだ。
そんな環境で仕事をしていると事業にも愛着が生じてくる。結果的に創造した製品にもそういう気持ちの雰囲気が漂うものとなる。大企業にはないベンチャーの最大の特長かもしれない。それがいきいきと伝わってくる製品は支持され売れてゆくのだと信じている。だからその雰囲気をできるだけ大切にしたい。
それ以外にも、製品の研究開発、デザイン、マーケティング、販売、保守、それから経理、資金繰りなど様々なことを自分自身の力に頼るしかない。そういう環境に自分を置くので未知の新しい世界も切りひらかれるのである。
そういうプロセスを経て自然とベンチャー事業はひとり立ちしてゆくだろう。日本に暮らしているから日本語を不自由なく話せるのと状況は同じである。
その眺めを楽しんで天頂目指して、のびのびと果てしなく描かれる美しき軌跡のかたちを、こころにしっかりと刻んでゆきたい。