2004 年 12 月 08 日 : 天国への階段
あるテレビ番組でやっていたクイズが印象深い。
『これまで辿ってきた 1 本の道が、ある地点で 2 本の道に分岐している。一方は天国へ繋がる道で、もう一方が地獄へ繋がる道だという。そこには 2 つに分かれた道の真実について知る 2 人の門番がいる。1 人は質問にいつも正しく答える。もう 1 人は質問に対していつも真実とは逆に答えるという。外見上、どちらが正直に答える人なのかは分からない。こんな状況で、どちらか一方の門番に 1 度だけ質問する機会が許される。では天国に行くにはどんな質問をすればよいだろうか?』
ベンチャービジネスでは資源が限られているため、常に正しい「選択と集中」が大切になってくる。経営資源の関係で、どうしても 2 つのうちの 1 つしか選べないことも多々ある。
一方は天国、もう一方は地獄というのもよくある話。天国と地獄ならば、一目瞭然な結末かもしれない。人間には未来を完璧に予知することはできない。地獄へ繋がる道を選択してしまい、闇雲に進んでしまうこともある。
そういう運命に甘んじていることはできない。
このクイズにしても、何も考えずに道を選択すれば 50% の確率で地獄に行ってしまうことになるのだが、ある問いを発することで 100% 天国に行ける。これはベンチャーにも当てはまる。「孫子」の"百戦百勝"も創意工夫すれば実現可能と思う。
大企業は巨大資本を背景に両方を選択できる。ベンチャーではそれが許されない。
このことは、ベンチャーが一流企業へと飛躍するチャンスでもある。意思決定をする際に、"深く考えるプロセス"を繰り返すことで、判断能力を養える。
例えば、100 万円が当たる宝くじが有ったとしよう。ある人は 100 円しかなくて 1 枚しか買えない。しかし、もう 1 人は 1 万円あるので 100 枚買える。この 2 人が 2 人ともが当選したとする。前者は 100 円の投資で 100 万円を獲得したので、パフォーマンスは 1 万倍だ。もう 1 人は 1 万円の投資で 100 万円を獲得したので、100 倍である。2 人とも同じ 100 万円を獲得したわけだが、パフォーマンスという観点からは 100 倍の開きがあるのだ。
宝くじの場合は、当たるかどうかが買う人の意思に関係無く決まってしまう。ベンチャーの場合、意思決定するのは本人である。"選択と集中"のセンスを磨けば、宝くじでいうところの当選を連発させることも充分有り得る話。確率的な話ではなく必然にしてしまうこともできる。
大企業ならば 100 通り選択できるが、ベンチャーでは 1 点でしか勝負できない。極端な話だが、考え抜かれたロジックで、その 1 点勝負を確実に勝ち続けることで、大企業の 100 倍の成長率を達成して、一流の企業へと成長してゆける。
"選択と集中"のセンスがある限り、ベンチャーはたゆまなく成長を続けることであろう。
追記:
正しく意思決定するために、私自身が心がけているシンプルな原理原則。クイズの問題よりも超シンプルかも。
「それは人の役に立つことなのか?」
という問いに対する答えが"Yes"なら「選択する」ように努めている。
◆クイズの答え↓
クイズの答え:
道の分岐点にいる 2 人の門番うちの 1 人に一方の道を指して『あそこにいる門番に「この道は天国へ繋がる道ですか?」と質問したときに彼は「ハイ」と答えますか?』と質問した時に、その答えが「ハイ」の場合は「その道は地獄へ繋がる道」で、「イイエ」の場合は「その道は天国へ繋がる道」ということになる。