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2005 年 02 月 05 日 : 起業の歯車

自分で努力して得た 1 万円と他人からもらった 1 万円とではどちらに価値があるだろうか?どちらを大切にするだろうか?

答えは明らかだが、それを理解しているのと、実際に行動するのとでは違いがあるらしい。生活の中でも起業においても同様だ。

株主から預かったお金を元手にして、社会的に意義のある仕事をなし、元手を上回る収益を上げることが経営者というものの仕事の一つであると思っている。

会社のお金をいろんなことに投資する際に、そのお金の価値をどの程度重く受け止めているかで、結果は大きくことなるのではないだろうか。だからこそ、ベンチャーで成功している企業は大企業をも遥かに上回る ROI (株主資本利益率)の数字を残しているような気がする。

いろんな方々から国の助成金への申請を勧められる。その手続きが煩雑で面倒という話もあるが、これまでに助成金を申請したことはない。できる限り、助成金に頼らない経営をしたい。棚から牡丹餅のようにして、国の助成金を受け取ることで、お金に対する感覚が麻痺することを危惧するからだ。

これまでに蓄えたお金、それから創意工夫することでお客さまから商品の対価としていただいたお金の値打ちというものがよく理解でき、活きたお金の使い方ができる。

ベンチャーの場合、10 年後も存続している会社は 10 社に 1 社も無いくらいだという。だから大切なことは如何にして経営判断ミスを無くすかにあると思う。経営者のお金への考え方が甘かったばかりに経営がおかしくなる会社が多いような気がする。自ら苦労して稼いだお金の方が、他者から与えられたお金よりもよく理解でき、そのお金の使い方もよく分かってくるのではないか。

国の助成金の申請を代行することを商売にしている人もいるらしい。この本末転倒な事実を聞いて、こんなところでも税金の無駄遣いがされているんだ、と残念に感じた。(真に必要としているベンチャーに助成金が届いていないことが懸念される。)これはまた、助成金の申請がややこしく報われない労働になっているという事実の反映でもある。

それよりも、助成金制度を利用せずに、利益を出している創業間もないベンチャーの法人税、消費税などを一部免除するような制度を創るのはどうだろか。そのほうが、助成という起業の歯車になるだろう。