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2005 年 02 月 16 日 : 講演のご案内

海外インターン生でいつも大変お世話になっているアイセック同志社大学委員会様の主催の起業家講演会で話します。ご興味のある方は是非ご来場ください。

題目:「ベンチャービジネスの立ち上げ方」
日時:平成17年2月19日(土)14時〜16時
場所:同志社大学今出川キャンパス 講武館106
開場:13時30分

<講演概要>

ベンチャービジネスの中にあって、イノベーションとマーケティングで勝負をしなければならないハイテクベンチャーを立ち上げるのは並大抵のことでないように実感します。何の知識も持ち合わせず、勢いやノリといった感覚で始めるとすれば、そこには大苦戦が待ち構えていることでしょう。それはそれで良い経験にもなるのですが、その先にはもっと多くの難関があるのだから、最初から分かっている問題は事前に対処するのがベストです。

多くのベンチャーが廃業したり、M&Aされたり、当初の思惑と違ってやりたくないことを仕事にしていたりします。そんなことになれば、何のために一大決心をしてベンチャーを始めたのか、その意味が分からなくなります。

ほとんどのベンチャーは立ち上げの時に、最初から組み込まれた問題に起因して、立ち行かなくなったり、思うように事業が運ばなくなったりします。何故、そのような事態が発生するのかを自分なりに考えることもよくあります。私が思うには、全てはベンチャー起業について学ぶ場が皆無に近い状況が今日の事態を招いているように思えてなりません。

私自身、右も左も分からないままに起業したのですが、しなくてもよいことをしていたり、悩まなくてもよいことに悩んだり、やるべきことをせずに苦労することが多かったように思えます。事前にそんなことを少しでも知っていたら、もっとスムーズに事業を軌道に乗せられたのにというような反省も数多くあります。

創業して3年という年月が経過しました。最初は売るべき製品も存在しなくて、それを凌ぐために廻り道しつつ、いろんな創意工夫をしました。そのような経験を通じて、私たちも成長すると共に会社も次第次第に良くなってきました。現在では、既存製品の売上だげで月間固定費を充分に上回っていますので、売上の全額を新規の研究開発に当てることもできれば、何も働かなくとも暫くは安泰というようなところまできています。実際には、会社をもっと伸ばしたいので働かないというのはありえないことなのですが…。

ソフィア・クレイドルは、スタッフたちも含め、短期的な成長ではなく、長期的に想像もつかないほど成長することを目指している会社です。だから、最初から猛ダッシュすれば短期的には大きく成長するかもしれません。しかし、長期的には息切れしかねないため、研究開発は他のベンチャーでは類を見ないほど、ゆったりとしています。スタッフたちは完全週休2日制ですし、ソフトハウスでよく見られるような不眠不休で働いているスタッフは一人もいません。

新しい何かを創造するには、我武者羅に働くのもいいのですが、それだけでは何かが不足するように感じています。いろんな模索をしつつ、ハイテクベンチャーを成功軌道に乗せるように努力しています。

ソフィア・クレイドルというベンチャーを創業してから3年の年月で多くを学びました。この過程で得た多くの気付きは、他のベンチャー起業にも少しは役に立つように思えます。少なくとも、同じような失敗をした時の対処としては参考になりそうな気がします。

学校や会社や家庭では、なかなか起業を成功させるための方法論について学べません。この日記でお話してきたことはまだまだ極僅かな気がします。他で学べないようなことを今回の講演会ではご紹介できればと思います。