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2005 年 03 月 23 日 : 創造のために

日常生活において、整理整頓しないと時が経つにつれ部屋のモノは無秩序に乱雑に増え続ける。いつしかその部屋は飽和状態となり、新しいモノを全く受け付けなくなるだろう。だから、あるタイミングで私たちはいらなくなったものを捨てる。そうやって新しいモノを部屋の空いたスペースに入れるようなことをしている。

古いモノを捨てることによって新しいモノは自然に生まれるという教訓のようなものかもしれない。多くの人がずっと慣れ親しんできたモノや自分自身の固定的な観念をきっぱりと拭い去れないでいる。その結果、閉じられた世界から永久に脱却できず、いつまでも同じ地点を堂々巡りするかのように人生を過ごしがちだ。

ベンチャーであれば、新規性のあるビジネスの創造こそが突破口である。人びとにとって意外で新鮮な満足感をどうやって創り出せるかがその存続や発展を占うカギといえるだろう。

人間の脳細胞は数え切れないほど無限にあるように思えるが、実際は有限な存在でしかない。新しい何かを生み出すためには思い切ってこれまでの過去を全て捨てる去るのも一つの方法だ。

脳の中にある海馬には不必要なものは自ずと忘れさせてくれる仕組みが備わっているらしい。それによって人間は精神的なバランスをとっている。それをあるテレビ番組で知り、『忘れる』という一種の才能や能力みたいなものが興味深く思えた。

ベンチャー起業するにあたってたくさんのモノを捨てた。その結果、何か新しいモノを受け入れる余地を自分の中に創ることができたように思う。以前はできなかった大胆な発想もできるようになったりもした。

しかし、そんな風に生きていても過去の出来事はどんどん積み重なってゆく。なので、たまには過去を整理整頓し、新しき未来を展望するための段取りをせねばと思う。それによって、別の新しい世界が見えてくるような予感がする。

追記1:

時間の経過と共に部屋の中が乱雑になっていく現象のことを物理学では「エントロピー増大の法則」と呼んでいる。

物理学的には、いろんなモノを捨て去るということはエントロピーを下げることに相当し、そのエネルギーによって新しきモノが創造されるように思えたりして面白い。

追記2:

インターネットで「エントロピー増大の法則」を調査していると、「時間」というものが「エントロピー増大の法則」に従って流れるというような見方もできたりするという。

ベンチャーにとって全てに対して公平な「時間」は極めて重要な経営資源だ。この説によれば「エントロピー」というものを低く保てば時間の流れが緩やかになるということになる。この考えはベンチャー経営にとって大切なように思えて仕方ない。

エントロピー:乱雑さ、無秩序さ。