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2005 年 03 月 27 日 : 経験分布関数

人や製品、事業など成長しうるあらゆるものにいえる事実だから、数学的にも研究されているのだろうか。経験分布関数(Empirical Cumulative Distribution Function)というものの性質を知るのはベンチャー経営でとても大切だ。 

ベンチャーでは成長こそがすべてといえるほど、ワクワク&ドキドキ感をもたらしてくれる源だ。それではその成長とはどんな風にして姿を現すのだろうか?

それは敢えて数値的に表そうとするならば、連続的な曲線ではなく、今日の日記の画像にあるように階段状の軌跡を描いてゆくように思われる。ベンチャーとは、全くのゼロからスタートし、それが徐々に大きなものへとステップアップしながら段階的に成長していく過程といえる。

最初はベンチャーのビジョンや目的や目標の達成に向けて、そのプロジェクトに関わるスタッフたちの全知全能を結集しいろんな試みをする。しかし、現実は長いゼロの状態が暫く続く。ゼロというのはゼロであり、それは天と地、有と無、生と死ほどにも段階的に異なっている。それから、あることをきっかけにしてゼロからプラスの状態に1段階ステップアップしていることに気付く。その後、また暫くは平行線を彷徨いながら、それでも前向きな努力していると、最初と同じようにしてあることをきっかけにステップアップし次の第2段階へと進むことができる。

ベンチャーでの成長とは、こんなスタイルで何度も何度も繰り返されてゆく過程なのだろう。さまざまな創意工夫や努力をしていても、その結果が直ぐには現れないところが一番難しいところであり、この過程を理解していないがために、途中で諦めてしまう人が多いのではなかろうか。また、自分の持っている知識や理解は意外とモジュール化されているので、自分たちがどの段階にあるかはなかなか分からないし、誤解も生じたりする。そもそも向かう方向が違う場合もある。

階段状にステップアップしつつ成長するためには、まずは、自分の得意な範囲から、広く前向きなビジョンや目的や目標に向かって努力が必要と思う。それをしない限り成長曲線は水平線を描いて停滞するのではないだろうか。創造的な停滞や沈黙というものもあるけれど、プラスの方向に向かって進んでいる限り、目には見えない関数曲線を描いて進歩している。そして、その成果は突然やってくる。

追記:

自分の能力や会社の業績を伸ばす上で、未来のある時点での理想の姿をイメージし、そこに辿り着くまでの時間軸の方向に伸びる階段状の軌跡とは具体的に何なのかと自問自答するような習慣を心掛けている。