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2005 年 09 月 19 日 : V / P

人は何を以って判断しモノを買うのか、ということをベンチャーを創めてから考えるようになった。

シンプル&ロジカルに考えるなら、製品やサービスの価値を V 、価格を P とした時に V ÷ P の値が 1 より大きければ買いだ、という当たり前の結論に達する。

厄介な問題は、製品やサービスの価値 V を金額に換算し表現するのが、新しいコンセプトのモノほど難しい点にある。突き詰めればベンチャーのマーケティングとは、自社の製品やサービスの新しい価値 V がその価格 P を上回っているという事実を、お客様に分かりやすく具体的にプレゼンする過程であろう。

新しい製品やサービスは実際に試してみると判るものが多いのではないだろうか。だから最初にどういう理由でどのようなお客様に試してもらうか、のシナリオ・プランニングが重要だ。

とりわけ大切なのは"値付け"になってくる。

今は全ての製品について30万円、50万円、100万円という、3種類の価格で販売している。

その考え方の基本は、どんなお客様に対しても
   V ÷ P > 1 (敢えて理想をいえば 10 以上の値になることを想定してデザインしている)
を押さえた上で、実際に購入してその V の値を実感してもらうところにある。

年収数百万円の人が 3000 円の CD を買う日常の生活シーンを想像してほしい。音楽に興味のある人ならば、少し試聴してなんとなく良さそうに思えばその CD を購入するだろう。

それと同じ感覚で考え値付けした。年に数億円以上の予算がある企業や組織にとって 30 万円のソフトを買うということは、ごく普通の人が 3000 円の CD を購入するのに近い。

製品やサービスを初めて使ったときに、価値 V と価格 P の関係は明白になる。

V ÷ P の値が1を大きく超えれば超えるほど、そのビジネスは安定した上昇気流にのってゆくことだろう。

お客様が V ÷ P の値をどう実感するかにそのビジネスの未来は委ねられる。