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2005 年 07 月 29 日 : Valuation

企業の価値はどのようにして定量的に算定すればよいのだろうか?

厳密な数値として算出するのは到底不可能である。しかしその考え方の本質を捉えることで企業のレゾンデートル RAISON D'ETRE と言えるようなものが発見できそうだ。

現在時刻 t におけるある企業の評価値を Valuation(t) という関数で表現するとする。その時、t の値が取り得る範囲は[その企業が設立された時]から[その企業が消滅する時]までである。

従って、企業価値Vというのは 関数 Valuation(t) で t の取り得る範囲で積分したものがトータルとしてのその企業価値といえるかもしれない。

   [その企業が消滅した時]
V=∫Valuation(t)dt
   [その企業が設立された時]

Vの値が大きければ大きいほど、その企業は社会的に存在価値がある。だから企業の経営者、特にベンチャー起業家にとって最大のミッションは、このVの値を極大化する仕組みそのものの創造だと考える。

企業の生命というものは人間のように定まった寿命があるわけではない。実際のところ、何百年以上もの時を経て現在もなお存続している企業の例は少ないがあることはある。それ故に、t が取り得る範囲を自分の寿命を遥かに超えたものとして設定することも可能なのだ。

こんなことを考えていると、企業経営で真に大切なのは人間の生命のスパンをも超越し、できる限り長く付加価値をアウトプットし続けるDNAのような仕組みを創造することだということがはっきりと見えてくる。

ある時刻 T における企業価値 Valuation(T) の値は必ず"有限(finite)"である。法人であれば、時間軸を"無限(infinite)"に延長して考えることができる。"無限""有限"を超越する存在である。たとえある時刻における企業価値の値が小さくとも、それが"無限"に続くようなものであるのならば、時間軸で積分した、その企業のライフサイクル全体の企業価値は計り知れないほど偉大なものとなる。

"ソフィア・クレイドル"はそんな視点から経営がなされるように努力している。

追記:

ベンチャー起業家として心すべきは時間軸上に"無限"に広がる空間において企業価値を最大化する仕組みの創造ではないだろうか。

"有限" × "無限""無限" である。至極簡単なことだがその実践は難しい。これは永遠の憧れなのだろうか……