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2005 年 01 月 08 日 : Accelerate!

創業 4 年目を迎える。

創業した当初は、霧の中を走るような感じで未来のことをはっきりとイメージできなかった。でも、いまではだんだんとそれが見えるようになってきた。

やっていて分かったのは、未来は自ら切り拓き、創るしかないということだ。強く念じたことは時間を要しても確実に実現してきた。

最初は建物の基礎を創るような仕事が大半を占めた。大地震が来ても倒壊しないように、建物でも高層ビルになればなるほど、その基礎はしっかりとし磐石なものになっている。あるいは、メルセデス・ベンツのように完璧で安全な車を製造する過程もそうなのだろう。

基礎の上に、できる限り高く美しい超高層ビルを建てたい。だから、会社を創業してからずっと基礎固めを何よりも重視して仕事に励んできた。その基礎工事もようやく一段落する。

基礎を創るという仕事は、「売上」や「利益」といったように直接目にすることができないので、感性によって完成の具合を見極めるしかない。人によっては目隠しをされて自動車を運転するような不安感を抱くかもしれない。

これは、研究開発型ベンチャーが成長するために、乗り越えなければならない最初にして最大の難関なのだろうと個人的に思っている。

私たちがやってきたことは、本気になってやろうと思えばきっと誰もができることだろう。しかし、ゼロの状態からスタートし、確実な未来が保障されない中にあって、その努力を創める人も少なければ、継続する人はもっと少ない。ビジネスチャンスは、大抵こんなところにあるものだ。

最も大切なのは「アイデアを具体的な行動に結びつける」ということではないだろうか。

実際問題として、これができない場合が大半。だから、競争そのものがなくなって、そのレースに参戦しているだけで勝ち組になれる。能力や才能に自信を持てなかったとしても、それを創めた者は実地の体験や経験を通じて自己の潜在能力を開花し、ブレークスルーしてしまうのだ。とにかく、初めの第一歩を踏み出すのが肝心だ。

若ければ若いほど、人は自分の夢と希望を鮮明にイメージしている。無気力のようだとか、楽をしたいだけなのではないかと評されても、あるいは自らもそう思い込まされているだけ。本当は、潜在意識の中であっても、イメージをちゃんと持っている。だからこそ、実際にはいろんなアイデアを実現できるチャンスに恵まれている。けれども、それを実現する具体的な手段や進む方向が直ぐには分からない。

1 人でも夢と希望を共感するスタッフがいる限り、実現の可能性はゼロではなくなり、ゴールに向かって前進している。そのまま歩み続ければよい。

勇気を出して挑戦するだけで、成功する確率はぐっと高くなる。アイデアというものは、後から振り返れば、あんな簡単なことは自分でもできたのに!と人が悔しがって思うようなものばかりだ。

超高層ビルでいうところの、基礎を創る段階を越すと、次第にその先にある未来の展望が遥か彼方まではっきりとしてくる。ベンチャーをやっていてワクワク&ドキドキする瞬間の始まりでもある。

創業 1 年目は、ブランドも実績も、売るべき製品も無かった。少しばかりの資本金と志を同じくするスタッフたちだけだった。創業初年度と 4 年目のいまを比較すると、この 3 年間で大きな違いがあることに改めて気付く。私たち自身、これまでいろんな苦労や壁を乗り越える度に成長してきた。いまは過去に実績があり、しかも完成度の高い製品だって存在している。会社や製品のブランドも少なからずある。はっきりと確認できる「売上」と「利益」というものも毎月増加している。

ベンチャー起業というのは、苦しい環境にあっても、それを突破する過程において、自らの潜在的な能力を獲得、開花してゆくプロセスに近い。そのプロセスを繰り返す毎に、ベンチャーは加速度を増して急成長してゆくのではないだろうか。

根本を辿れば、結局は私たち自身そのものにあることがわかる。人間的な成長なくしてそれは達成し得ない。ある意味では、ベンチャーを創める意義をそこに見出すこともできる。

追記:

最近、EXILEオレンジレンジの CD をよく聴く。年齢的にはソフィア・クレイドルのスタッフと同じ年代で 20 歳前後なのだが、音楽的にも今様で斬新で素晴らしいと、クラシックは別の意味で味わい深い。(クラシックでは、クライバーの指揮、グレン・グールドのピアノファン。)

オレンジレンジは平均年齢が 20.5 歳。EXILE、オレンジレンジなどの若手ミュージシャンの独創的な活躍を実際に触れてみると、明るい未来に希望が実感できる。

(その他)ソフィア・クレイドルのソフトウェア技術は「着メロ」や「着うた」でもの凄く人気のある公式サイトでも利用されている。それを考えると音楽も身近に感じられて、以前よりも親しみが湧いてくる。先月、創業以来お世話になっているお客様から、神秘のベールに覆われた、最近気になる、あの Gackt の「着うたフル」の配信をすることを伺い、早速、自宅にある彼の CD を探し出して思いを込めて聴いた。この仕事をして良かったと感じる瞬間だったりする。