ホーム > President Blog : Sophia Cradle Incorporated

Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2005年01月

2005 年 01 月 31 日 : スペシャリティ

知名度と実績は勿論ゼロ、「ヒト」、「モノ」、「カネ」といった経営資源も最低最悪の状態でスタートするのがベンチャー。

創業初年度に破綻するベンチャーは果てしなく多い。その壁を乗り越えれば比較的スムーズに軌道に乗ってゆく。

最初のスタートは何よりも肝心だ。

製品やサービスが売れなければ、キャッシュは入ってこない。無収入状態が続けば、やがて時間の問題で経営が回らなくなる。だから売れる製品やサービスをどうやって創るかという視点は絶対に外せない。

最初はゼロから、下手をすればマイナスからのスタートなのだ。人びとから圧倒的に支持されるような製品やサービスでない限り、大苦戦は免れない。

そのためには、利用する人の立場に立って、常に感動的な「新しい満足」を創造するというスタンスを崩さないことだろう。

資源に限りのあるベンチャーだから、最初は必ず製品やサービスのどこかに多少難はあるものだ。しかし提供している会社が世界広しといえどもそのベンチャーしかないとすれば、自然にトップになる道筋ができる。

オンリーワンにしてナンバー 1 な製品やサービスを採用してもらって実績を積み重ねる。そうして商品やサービスにも磨きがかかってゆく。ポジティブなフィードバックが得られるループが形成され、加速するようにして製品は良質化される。製品やサービスは次第に評判を高め、飛ぶように売れてゆくという流れになる。

「新しい満足」って一体全体どんなものを指していうのだろうか?

  • 初めて飛行機に乗ったとき
  • 初めて大ファンのアーティストのライヴに参加したとき
  • 初めてワールドカップサッカーを観戦したとき

人によってさまざまだろうが、日常生活において、初めて体験し、感動することってきっとあると思う。たぶん、そんな感動に匹敵するようなものであれば、ベンチャーの製品やサービスはスムーズに受け入れられてゆくだろう。

人のフィーリングに合致し、「感動」というようなエモーショナルな言葉でしか表現できないけれど、感激できる。そんなエッセンスがあれば欲しい。

例えば、ソフィア・クレイドルの携帯アプリ圧縮ツール SophiaCompress(Java) の場合。

この技術を利用して開発された携帯ゲームは、公式コンテンツの人気ランキングで上位を独占している。それらの携帯ゲームは、SophiaCompress(Java) によってサイズが半分になるので、これを利用していないものと比較して、圧倒的な競争優位の条件を獲得している。携帯アプリの場合、サイズ容量の制限があって、定められた容量に、どれだけクオリティの高いコンテンツを詰め込めるかで雌雄が決せられてしまう。

SophiaCompress(Java) があれば、同じ容量でも内容的に 2 倍のものを創ることができる。なので、その携帯ゲームは最終利用者に圧倒的に支持され、歓ばれることになるようだ。

携帯アプリのサイズを半分にするという単純明快な製品、サービスであるけれど、このことによって最終利用者に感動的なゲームを届けることが可能となる。

そういうスペシャリティこそが、SophiaCompress(Java) という製品のアイデンティティだ。

続きを読む "スペシャリティ" »

2005 年 01 月 30 日 : 知性の増幅器

昨日、NHK 教育テレビの ETV 特集で、

これからの科学、これからの社会〜京都賞歴代受賞者からのメッセージ〜

と題した、過去に京都賞を受賞した偉人たちのインタビュー番組を興味深く観ていた。

そのなかでも惹かれたのは、過去にこの日記でも紹介したことのある、「パソコンの概念」を考案した、アラン・ケイ氏の発言だった。

アラン・ケイ氏は、「パソコンは人間の知性を増幅するためのもの>であり、人間の創造性を高める道具、メディアである」と発言していた。彼によれば、いまのパソコンはそのような方向からずれたポジションにあるらしい。人びとはパソコンを手に入れても、日常会話のようにプログラミングをしてコンピューターを自由自在に扱えていない、と。

それで彼は、日常会話のようにしてコンピューターと話せるプログラミング言語として、「Squeak」を考案した。これなら、小学生のような子供でも簡単にプログラミングができる。だから、コンピューターの中に自分の思いをプログラミングし、表現することで、自己の創造性を飛躍的に伸ばせるというわけだ。実際、テレビで、子供たちは、自然に言葉を話すような感じで、粘土細工のようにプログラミングを楽しんでいた。

こんなことがもっと具体化すれば、パソコンは人に秘められた、無限の創造性を顕在化させるための道具・メディアとしてもっと活用されよう。そして、私たちの未来の生活は、もっと希望を抱ける豊かなものへと発展してゆくであろう。

飛行機や電車が人間の脚力を補い、増幅したように、パソコンというものは人間の知性を増幅するものである、という捉え方は、新たないろんなアイデアをもたらしてくれる。それがナチュラルなものであれば、いつの間にか、自ずと良い方向に実現されてしまうから不思議だ。その考え方は、自然の法則に逆らうものでなく、誰にも受け入れられるものなのだろう。

ayuは曲の作詞を携帯電話でしているらしい。また、携帯電話で本を書いている作家もいると聞く。携帯電話の特性から、いますぐ新鮮に、その時の思いを綴ることによって記録できるところが有利に働くのかもしれない。

その話を聴いたとき、携帯電話もパソコンと同様、「知性の増幅器」として、いつの間にか進化し始めつつあるように思えた。

携帯電話の進歩は目覚しい。通信速度もブロードバンド化が進んでいる。液晶画面も高精細度になり、ハイビジョンテレビのように鮮やかに映し出されるようになってきた。弱点であった入力方式も、音声認識や手書き認識のような技術が急速に発達してきている。

以前の日記で、アップルコンピューターの創業者 スティーブ・ジョブズ氏の言葉、「Creativity is just connecting things.(創造性とは物事を関連付けて考えることに他ならない。)」を紹介した。私たちは、携帯電話によって人びとの創造性を高めることに大きな夢や希望、ビジョンを抱いている。

携帯電話の液晶画面をいくつかのウィンドウにスプリットして、複数の情報を別々のウインドウに同時に表示できるようなソフトウェアテクノロジーをこれまでに研究開発してきた。

この意図は、次のようなところにある。

携帯電話がブロードバンド化することで、通信料金は定額制になり、人びとは世界中から、身近に、多種多様なさまざまな情報を選択的に受信したり、自ら情報発信する時代が訪れることになるだろう。

そのときに、携帯電話上のスプリットされた複数の画面に、ニュースや音楽、スポーツ、学校の授業、映画、会議、経営者の講演などが同時に映し出されて、利用者はその時の気分や意志で観たり、欲しい情報を選択しつつ、また、さまざまな情報を組みあわせることで、自分のフィーリングに合った、新たな充実した生活が育まれるのではないか、ということだ。

通信速度のブロードバンド化、通信料金の低価格化、液晶画面の高精細度化…。見知らぬ土地から発信された、その情報がスプリットされた携帯電話のウインドウに映し出される。その瞬間、あるアイデアがインスパイアされる時代。もうすぐ、そんな暮らしが始まる。

その時、創造性という観点からも、人びとの生活は次の新しい時代へとシフトしてゆく。


コンピューターが奏でる音楽は、人間の知性やアイデアなのです。”(アラン・ケイ

続きを読む "知性の増幅器" »

2005 年 01 月 29 日 : グランドデザイン

いまから 20 年ほど昔の話。IBM は世界一多くのノーベル賞受賞科学者を抱え、コンピューター業界の巨人として君臨していた。IBM ですら、当時「マイコン」と呼ばれていた「パソコン」が、今日のような勢いで、企業や社会の情報システムとして至るところで利用されてゆくその隆盛を全く予測できなかった。

その隙間に大いなるビジネスチャンスを見出した、いまや誰しもが知るところのマイクロソフトやインテル、アップルなどのパソコン関連ハイテクベンチャーは、20 年間で IBM に代わって起業家精神を多いに発揮し、パソコン関連事業を築き上げ、過去の歴史には例が見つけれないほどの猛スピードで急成長を遂げた。IBM と出会う以前、風前の灯火に過ぎなかったマイクロソフト銘柄の時価総額は、いまやIBMのそれを遥かに凌いでいる。

実際のところソフィア・クレイドルでも、インターネット経由で世界に向けて情報発信し、注文を受け付けているシステムは、一台のパソコンに過ぎない。しかし、それは欠かすことのできない存在、社内で唯一の営業マンだ。年中無休、一瞬たりとも休むことなく勤勉にプログラム通り素直に働いてくれている。

今日、世の中の大半の情報はパソコンによってコントロールされる時代となった。最近では、音楽や映像、ゲームといったコンテンツと称されるものまで、インターネット経由でパソコンへネット配信される時代となった。

それくらいに、かつてオモチャといわれたマイコンが、IBM の名が霞むほどに、社会を支えるインフラストラクチャーと成って世の中を席捲している昨今だ。

いまや巨大企業と化した、そんな米国ハイテクベンチャーのような成長曲線を描こうとするならば、10 年、20 年単位でのグランドデザインを構想することがきっと必要なのだろう。

IBM の汎用コンピューター、(現在は HP に吸収合併されている)亡きデジタルイクイップメントのミニコンピューター、サンマイクロシステムズのワークステーションなどの高価なコンピューターで処理されていた大抵の仕事は、今ではずっと安価なパソコンでも十分に可能だ。パソコンは、誰でも手軽で使いやすいコンピューターへと進化している。

値段が安く、高性能、しかも使いやすい。これが近年パソコン業界が爆発的に伸びた最大の理由ではないだろうか。

もともと、パソコンというものはハードウェア的に貧弱なものであった。その弱点をソフトウェアでカバーすべく、数多くの天才プログラマーたちが、貧弱なハードウェアでも利用可能なように、ソフトウェアの根幹である論理、アルゴリズムを考案し実現した。その結果、ハードウェアの進歩の影響があるにしても、パソコンは実用的なモノへとシフトできたのだ。

たとえ 10 年かかろうとも、これと似たような流れで、携帯電話サイズのコンピューターに一種の歴史的なムーブメントを起こしたい。毎日、アントレプレナーシップという志を忘れないようにしてプログラミングに没頭している。

携帯電話のような小さなコンピューターが、将来的にはインターネットサーバーになることもあり得る話だとして、本気でソフトビジネスを展開している会社は、国内では少ない。

パソコンと比べればハードウェア的には桁違いに劣る、携帯電話のようなコンピューターでも、ソフトウェアによって、人間にとって快適に動作するものへと進化するのである。しかも、それはコンピューターよりも、もっと人間の生活に寄り添ってくれる何か新しいデバイス、マシンである。

パソコンのハードウェアも、昔と比べれば格段と進歩している。しかし、現在起こっていることが稚拙なプログラミング技術に基づく、効率の悪いソフトウェアであるならばどうだろう。ハードウェア資源の多くを無駄使いしているような、ソフトウェアが散乱している景色は哀しくないだろうか。

携帯電話では、ハードウェアの制約上、それが許されない。だから、高度なプログラミングテクニックを駆使することで、ハードウェア的に貧弱であったにしても、パソコンを越えるような凄いソフトウェアを創られる可能性を秘めている。

現在、パソコンで為されている仕事が携帯電話でも代替可能になれば、それに必要なコンピューター資源は 1 桁減ることになるだろう。どこにでも手軽に持ち運べる、携帯電話のその特性は、他のものに変え難いメリットだ。

2005 年 01 月 28 日 : スケーラビリティ

大企業でサラリーマンをしていた頃、組織図には必ずヘッドカウント、所謂、頭数が記載されていた。部長や本部長といった、組織のトップは、そのヘッドカウントの数字を競い合って、自分たちの権力や権威というものを誇るかのようだった。

IT 用語の「スケーラビリティ」とは、利用者が増加しても、システムへの要求や負荷が増大したとしても、そのコンピューターシステムは柔軟に対応できる、ということだ。

これから、21 世紀の企業経営において、「スケーラビリティ」という考え方が重要になってくるのではないだろうか。65 歳定年制、社会保険料の負担増等など、社員数が多いことが必ずしも企業の好業績に直結せず、寧ろマイナスに作用しかねない傾向にある。

だから、たとえ売上が増加基調にあるにしても、人材採用はできるだけ控え、現有の人員で増加した分の仕事をこなす術が重要になってくるだろう。どのように頑張ったとしても、処理しきれない段階になって初めて、新たに人材を採用するというのが良さそうに思えてくる。

ソフトビジネスの場合、外注など外部からの仕入れをしなければ、経費や製造原価に相当するものの大半は人件費である。だから、注文が増えたとしても人の数はそのままで済むような仕組みを創っておけば、売上の増加以上に利益はグーンと伸びる続けることになる。

ベンチャーの場合、急成長している時に一気にたくさんの人材を採用するところが多い。ベンチャーが手掛けるのは新興ビジネスであるだけに、競争は激しく、またブームやトレンドにも左右されやすい。形勢が不利になった時にどのように凌ぐかというのが一つの分かれ目になろう。

経営手腕に秀でたベンチャー起業家は、どんな状況にあろうとも持ち前の経営センスでその難局を容易く乗り切れるだろう。しかし、そのような起業家はむしろ稀有な存在といえよう。大抵、自分の力を過信するところに、落とし穴が虎視眈々と待ち構えているものだ。

増え始めれば最早止めることができないほどの、ポジティブなフィードバックで稼動する経営システムを予めプログラミングしておけば、その分、のりしろの範囲も広く、少々の社会情勢や業界環境の変化も吸収できる。

そうすることで、スタッフたちの生活は豊かになり、職場の環境も働きやすくなり、未来の新規ビジネスにも余裕をもって楽しく愉快に臨めるのではないだろうか。

2005 年 01 月 27 日 : リスクヘッジ

大企業でサラリーマンをしていた頃、毎月、決められた額の月給が自分の銀行口座に振り込まれるのが至極当たり前のように思っていた。

前にもお話したが、独立とはそのような生活から決別することである。自ら稼がない限り、自分の銀行口座にお金が振り込まれることはない。謂わば、フルコミッションのセールスマンの生活に近いかもしれない。いや、スタッフたちの生活もあるので、彼らが安心して暮らせるような稼ぎも必要だ。未だ誰も知らないブランニューなブランドの商品やサービスを扱うようなものなので最初は苦戦するが、それだけ稼ぐことができないと、キャッシュが尽きた時点で経営破綻が訪れる。

ベンチャーを起業した当初、私自身やスタッフたちの安定した暮らしのためにも、如何にして毎月充分な粗利益を叩き出し、しかもそれを単調増加させてゆくかということについて、もっとも頭を使った。

ソフィア・クレイドルはハイテクベンチャーである。必然的に研究開発している製品が完成し、それが売れ出すタイミングとなると、かなり時間が経過してからのことになる。ハイテクベンチャーの場合、製品が爆発的に売れ出すまで、資金面でどうやって凌ぐかという戦略はもっとも重要であろう。しかも、スケールの大きなテクノロジーほど、芽が出るまでにそれだけの時間とお金がかかるものだ。

第 3 者から資金を調達するという手段も選択できるだろう。その調達先が自社の未来にとって相応しいところであればよい。しかし、そうでない可能性も有り得る。ある意味では、一つの大きな賭けとなり、その会社の未来にとってリスク要因となり得る。そのリスクをどうヘッジするかのセンスがベンチャー起業家には求められよう。

その資金調達で成功する場合もあるが、失敗する可能性の方が大きい。例えば、大手ベンチャーキャピタルが精緻に調査した上で投資した優良ベンチャーでも、3 割しか上場できない事実がある。これが意味するところは、ベンチャーキャピタルからの資金調達は失敗に終わるケースの方が多い、ということである。この事実は自分のこととして受け止めるべきであろう。誰しも自分はそうはならないと思うものだ。シビアに世の中を見たほうが成功の確率は高まるのではないか。

ベンチャーキャピタルが投資する企業の中には、上場がほぼ確実なレイターステージの企業も多い。アーリーステージのベンチャー企業への投資が不成功に終わる確率は 7 割よりもずっと高いものと推察される。

ソフィア・クレイドルという会社を、成長のスピードは多少遅くともよいから、自分たちにあったペースで、着実に、そして堅実に経営を伸ばしてゆくことに、私は重きを置いた。だから、早期の株式公開が前提条件となるベンチャー・キャピタルなどからの投資は全て断ってきた。

タイミングを逸するかもしれないが、人間万事塞翁が馬という。それによって、新たな展望が拓けるかもしれないと楽観視している。

そうはいっても、生活するために最低限の日銭は稼ぎ出さねばならない。無名で全く認知度も、売る製品さえもなかった頃から、どうやってお客さまから商品やサービスの対価としてお金をいただけるかということで、いろんな意味で鍛えられ、私たちは生命力を得たのかもしれない。自給自足という言葉がある。そんな風にして、苦労や苦心を重ねてベンチャー創業期を過ごすことで、長期的に自らの成長を加速することもある。即ち、その逆も真なわけだ。

携帯電話向けソフトウェア製品を販売しているので、製品 1 つ当たりの粗利益を「@粗利」とすると、全体の粗利益は次の数式で表現できる。

   全体の粗利益=@粗利×数量

問題はどうやってこの数式で表現される「全体の粗利益」をマキシマイズさせるかである。

@粗利」(製品価格)の数字で、売れる数量も変化するが、ここではそれは最適な値に設定されていると仮定する。

この数式で恐ろしいのは、「数量」の数字がゼロということがよくあるということだ。寧ろ、世の中、いたるところで発表される大半の新製品は、売上数量ゼロで消え去っているといっても過言ではない。品質、機能性など、どこにも落ち度が無いのに売れない新製品が山のようにある。逆に、矛盾するようだが、そんなに大したこともないのに売れている製品も多い。

この事実から分かるのは、マーケティングの大切さであろう。もし製品が本当に素晴らしいのであれば、それを必要とするお客さまに、そのお客さまが理解しやすいメッセージで表現し伝えることができれば、その「数量」の値はぐんぐんと伸びてゆくだろう。そして、利益は天に向かって際限無く登ってゆく。

インターネットの場合、日本だけでなく全世界がマーケットであり、注文も光速のスピードで入ってくる。そのきっかけさえ掴むことができれば、粗利益というものは瞬間的に大きく伸ばしてゆくことも可能だ。

ベンチャー創業当初は会社や製品への認知度も実績もなく、マーケティングノウハウも少なかった。創業して、3年という歳月が過ぎようとしているがそれらの条件が整いつつある。

サラリーマンの場合、月給は固定給である。商売をやっていて面白いのは、製品をたくさん売るためのノウハウを確立することができれば、世界中からインターネットで注文をいただく、その瞬間にサラリーマンの月給を遥かに超える額を稼ぐことも可能だということだろう。

勿論、そこに辿り着くまでに、実にいろんな紆余曲折があるかもしれないが…。

2005 年 01 月 26 日 : 光速の潮流の中で

au の CM ソング、「オレンジレンジ」の「花」は昨年の年間シングル CD 売上ランキング第 4 位を記録したらしい。自宅で仕事をするとき、「オレンジレンジ」の曲をよく流している。仕事がなんとなく捗るからだ。音楽には特別に不思議なパワーを感じる。

インターネットで調べてみると、「オレンジレンジ」というグループのデビューは 2002 年だ。私たちがソフィア・クレイドルを創業したのも 2002 年。

それ以前は、ほとんどの人は「オレンジレンジ」の曲を耳にすることは無かった。いまでは「オレンジレンジ」という名前は知らないにしても、ほとんどの人がどこかで彼らのメロディーを聴いたことがあるのではないだろうか。

初めて彼らの音楽を聴いたのは、会社近くのガソリンスタンドに設置されたラジカセから流れる「上海ハニー」という曲。2003 年の夏頃のことだった。なんとなくいい曲だなと思いながらその場を通り過ぎたのを覚えている。

2003 年の暮れの NHK 紅白歌合戦だった。そのステージで、彼らは「上海ハニー」を熱唱していた。初めて「オレンジレンジ」という名を知った瞬間だった。そして、早速、年が明けた 2004 年の正月に CD ショップで「1stContact 」という彼らのアルバムをゲットした。斬新さと初々しさと同時に奇妙な心地も感じつつ、その音楽に耳を傾けていた。

最近、少し余裕も出てきた。どんな曲がトレンドになっているのか探るべく、CD ショップに足を運ぶこともある。2002 年〜 2003 年は、会社の立ち上げで忙しくて、余力はほとんど無かった。

「オレンジレンジ」の例を挙げるまでもなく、音楽業界ではアーティストたちの浮沈がとても激しい。たった 2 年間で、国内音楽シーンの頂点を極めるほど、素晴らしい作品を創り、洗練されたプロモーションが展開されるケースもある。無論、その逆の方が多かろう。しかし、計測された年間の順位などにこだわらず、音楽の世界は、特別な醒めない夢の感じられる世界であることにずっと変わりはないだろう。

コンピューターを一種のメディアと捉えて、プログラミングを音楽でいうところの作詞、作曲のような感覚で、自分たちの思いを表現しようとしている。「カッコよさ」「クールさ」「トキメキ」「優しさ」「心地よさ」「驚き」「凄さ」などなど素敵な感嘆符をキーワードにして、それに触れる人の感情に共鳴するような作品を創りたい。ある意味では、ミュージシャンや画家、作家、詩人の思いに近い。

そして、クールさというような観点から自ら最高傑作として誇れる作品を、インターネットを介して、全世界の携帯電話に向けて配信したい。

究極の作品が完成し世界に浸透してゆく、その瞬間までは長い道のりだ。しかしインターネットの世界は、動き出せば光速のスピードで瞬く間に景色が一変する。

自ら世界を変革し、未来を創造することで、人生を生きる喜びを見出す。私たちの存在意義はそこにある。

作品が光速のスピードで世界中に拡がるか否かは、自信やプライド、愛情といったものを持って作品創りに臨むかにかかっている。

2005 年 01 月 25 日 : ロボットとの共生をつなぐもの

IT media Mobileのこのニュースが興味深い。携帯電話でロボットを遠隔制御できる。(この携帯電話にもBREWが搭載されていてる。BREW によって先端技術の先取り可能となる、一つの面白い実例だ。)

Bluetooth でロボットを操作せよ〜「Pirkus・R」と遊んできました

こんなことを 5 年前に想像できた人はほとんどいないだろう。それくらい携帯電話の技術革新のスピードは早い。

将来、携帯電話は魔法の杖として、ロボットみたいに意外なものまでリモートコントロールできるようになっているのだろうか。

想像するだけでもワクワク&ドキドキするようなニュースだった。

 1  |  2  |  3  |  4  |  5  | 次のページ>