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Sophia Cradle IncorporatedPresident Blog : 2006年04月09日

2006 年 04 月 09 日 : Shield

村上龍氏の「シールド(盾)」という本が話題らしい。読んでいないけれど、TV で紹介されている様子を興味深く観ていた。

起業すれば何でも自由に決めれる代償として、自分の身は自分で守らなければならない。

大企業で働いていると、自分に迫る危険や危機は全くといっていいほど無頓着になる。

何故なら、大企業という SHIELD が安全地帯を形成して自分を守ってくれるからである。

それでは自然界はどうだろうか?

あらゆる生き物は自分の身は自分で守っていると言えないだろうか。

外敵から身を避けて命を守らねばならない、厳しい環境にある野生の生き物ほど周囲のあらゆる動きや気配に鋭敏である。心であらゆることを察知しているようにも思える。

21 世紀の高度情報化社会では、人の心に深く共鳴する何かが求められるに違いないと思う。そもそも僕自身がそんなモノを求めている。

それを実現するのに絶対に必要なのは、研ぎ澄まされた感性そのものであると考えている。

どうすればそんな感性を自分のものにできるのだろうか?

そのヒントは、 SHIELD が外された大自然に生きる生命と同じ境遇にこの身が置かれるあたりに隠されていると思う。

2006 年 04 月 09 日 : Chemistry

「大きな仕事は小さく分割して一つ一つ片付けて全体を完成させる」という方法論を、多くの人が当たり前のように捉えるかもしれない。

この逆の思考回路から"イノベーション"や"ブレークスルー"といった革新は生まれると僕は考えている。

簡単に言えば、異なる 2 つを"組み合わせる"ことで、オリジナルとはスガタ・カタチを全く別にする、想いもしない新しい何かが誕生するという発想である。

ナトリウム(Na)と塩素(Cl)から食塩(NaCl)が化学反応によって生成されるのと同じである。

これは何も化学の世界に限った話ではなく、ビジネスでも、スポーツでも、ミュージックでも ・・・ あらゆる日常生活で実感できる現象なのだ。

そもそも、ごく限られた種類の素粒子から創まった宇宙がそんな風にして進化発展を遂げているのだから、当たり前と言えば当たり前かもしれない。

けれども、こんな問題意識をもっている人ってどれくらいいるのかと思ったりもする。

仕事を分割してゆくアプローチは既にカタチが見えている世界でもあり、それ故に誰もがそれに取り組みたがる。

何故ならば、なんとなく安心できるからである。

過去の歴史を振り返れば、「セレンディピティ」と言われたりもするが、偉大な発見や発明は例外なく予想もしなかった出来事から生まれている。

それは異質のモノ同士を組み合わせて新しい世界を探るアプローチである。結果が見えないだけに人生を賭けるとすれば多少の勇気や決断力は要求されるだろう。

でも、人生の妙味は意外性にあるんじゃないだろうか。